現在、巷では「舌癌(ぜつがん)」が、一体どんな症状なのか?生存率は?など多くの方が興味を持たれている事でしょう。私も、今回、女性タレントが舌癌とブログで公表し始めて病名を知りました。

 

実際に舌癌というのは、珍しくなかなか聞かない病名です。また、舌癌は早期発見が難しいとも言われています。いったい、単眼がどの様な病気なのかを以下にまとめたので、参考にしてもらえればと思います。

舌癌は白血病よりもはるかに稀で資料も少ない!

 

恐らくですが、この記事を見ている皆さんも「舌癌(ぜつがん)」という病名は今まで聞いたことがないのではと思います。癌というと胃癌や大腸がん、更に肺癌などが代表的です。

実際に、舌癌というのは症状例としても珍しく、医師が扱う論文でも資料が少ないといわれています。アメリカ医学図書館のデータベースを検索しても「舌癌」という単語をタイトルに含む論文は過去に695報しか発表されていないそうです。

その数がいかに少ないかという事で例を出すと、最近でも若い競泳選手が白血病になりましたよね。白血病という単語をタイトルに含む論文は11万8361報も報告されている。実にこれは舌癌というキーワードの170倍です。

つまり、舌癌というのは私たち一般人に限らず、医療従事者の中でも扱うケースが稀という事です。

 

舌癌の発見が遅れるケースは医師の見落としなのか?

 

では今回、舌癌を公表した女性タレントがなぜ癌ステージ4まで進行してしまったのかが気になるところですよね。癌ステージ4がどれくらい深刻かは以下の記事にまとめてあります。以下も参考にして下さい。

 

恐らくこの記事を見ている方の中にも「もっと早く発見できなかったのか?」、「医者が舌癌うぃ見逃したんじゃないのか?」と疑問に思っている方もいるのではと思います。確かに、その女性タレントのブログを読めば、そう解釈するかもしれない。

ブログの内容を見ると、最初に舌の裏側の口内炎に気づいたのは昨年の夏だという事です。「病院で診ていただきまして、そのときは塗り薬や貼り薬、ビタミン剤などを処方してもらいました」とあります。

私たちの感覚からすれば、このときに医者は口腔がんを疑い、専門家に紹介しなかったのかと思って当然でしょう。

 

ですが、現実的に医者でも判別がつきにくい病気があるというのも事実です。今回の舌癌はまさにその一例といって良いでしょう。舌癌は極めて稀な病気の為、発症数や症状例などが医師の間でも十分行われていないとうのです。

岩手医科大学の研究者の報告では「2002年の日本における舌がんの死者は1147人」とある。舌がんによる口内炎は、病気が進むまで通常の口内炎とは外見では区別できないとも記載されているほどです。

さらに、舌癌は他の部位に転移しやすいことが知られています。初診時に30~40%が転移を認めるという報告もあります。

 

舌癌は口内炎と酷似!歯科医師では発見は難しい!

 

また、よくありがちな事ですが、一般の方は医師なら必ず癌などの異常は見つけてくれるであろうという思い込み病気の進行してしまう原因になりかねません。

例えば、歯科医師なら口腔癌などを直ぐに見つけれると思っている方もいるかもししれませんが、実際は違います。基本的に歯科医師は癌の健診をする訳ではないので、口腔癌を見つけるというのは難しい話です。

 

2016年の厚労省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」によれば、開業している歯科医8万9166人中、口腔がんを扱う口腔外科専門医は909人しかいない。わずか1%。病院勤務医でも9.5%です。

大部分の歯科医は学生時代や研修医時代に口腔がんについて学ぶが、その後、診療する機会はないという事です。つまり医師でも自分の専門外になると余程は判断が難しいという事です。

 

また、その女性タレントが不幸だったのは、関節リウマチで治療中だった事です。標準治療薬はメトトレキセート(商品名リウマトレックス)で、その添付文書によれば、服用者の20.1%に何らかの副作用が生じるとうのです。

肝機能障害と並んで多いのが口内炎で2.2%の患者に生じていた。この数字は、臨床現場では「よく見かける副作用」と解釈されるています。この様なケースになると余程の精密検査を受けない限り舌癌とは診断もできなくなります。

ですから、舌癌に限ったことでもないのですが、私たちの体は最終的には自分でセルフチェックもしないといけないという事pでしょう。何でも間でも医師の責任と考えるのも、これまたおかしな話ではという気もします。

 

舌癌と口内炎の見極めは?早期発見する方法はあるの?

 

 では、私たちはどの様にして舌癌かどうかを見極めればよいのかというのが気になるところです。先ずは、口内炎ができた場合に、痛みの有無を調べることが大切です。口腔癌による口内炎は進行するまで痛みが出なく、なかなか治癒しません。

私たちが日常に経験する口内炎はものがしみたり、違和感があるなど少なからず自覚症状があります。時には激しい痛みを伴い、1~2週間で自然治癒しますが、口腔癌の口内炎はそれがないのです。

 

よくありがちなのが、日本人の患者に多いのが我慢です。しばらく我慢していれば、いずれ痛みも和らぐだろうと考えがちになる事です。中には「口内炎が痛いです」とは言わない人もい様です。

私たち患者側が黙ってしまえば、いくら優秀でキャリアを積んだ医師でも的確な判断を下すのは非常な困難になります。ですから医学において我慢というのは、時に危険もはらむと私たちも肝に瞑しておくべきでしょう!

 

舌癌の情報をもっとシェアするべきではないのか?

 

今回、私も初めて「舌癌(ぜつがん)」について知りましたが、決して知らないでは済まされない内容だということも分かってきました。私たちができることは「なかなか治らない、痛くない口内炎は要注意」という何気ない事でもシェアだと思います。

情報を社会でシェアすることで舌癌も」早期発見もできるかもしれないのです。

医師も「口内炎は痛いに決まっている」と考えるのが普通です。余程口腔癌に詳しくなければ、「口内炎は痛みますか」とは聞かないでしょう。早期の口腔がんは普通の口内炎と外見では区別できないのです。

 

私はメディア報道にも疑問を持っています「○○さん 舌がんを公表 ステージ4 『また歌いたい』(2月20日産経新聞)や「○○さん:舌がん公表に激励の声次々」のような記事が並びます。

確かに、舌癌と戦う姿は誰しも応援したくなりますが、その反面、折角多くの方が「舌癌とは?」と関心を持っているこのタイミングだからこそ、もっと病状や早期発見の方法などをシェアできるのではと思えて仕方ないのです。

 

私も一人でも舌癌に苦しんでいる患者の治療が上手くいくこととともに、この機会に舌癌に関する社会的な理解が深まることを願います。

以上、舌癌(ぜつがん)の早期発見は難しい?初期症状が口内炎と酷似する理由について…という話でした。