当たり前の事ですが、日本人の殆どは仏教徒です。ですから、お盆などにお墓参りも経験したことがあるのではと思います。お盆に関しては以下の記事も参考になると思います。

 

 

そんな時に、皆さんもお墓にお線香をあげたりしたのでしょう。そこで、皆さんに質問ですが、何でお墓参りにお線香を焚くのか知っているでしょうか?

お墓参りにお線香をあげる理由を誰も知らない…

 

お盆の時期など、皆さんも家族でお墓参りに出かけたりもしますよね。見本の季節行事といっても良いでしょう。私も小さい時から親に連れられてお墓参りはよくしたものです。

ですが、よくよく考えてみるとお墓参りでお線香をあげる理由なんて考えたこともなかったです。恐らく、この記事を見ている皆さんもそうではないかと思います。

でも、やはりその意味を知っているとお墓参りも一段と感慨深いものになるのではないでしょうか?

 

お線香の香りを亡くなった方は食べている!

 

実はという感じですが、お墓参りにお線香を焚く理由ですが、その線香の香りを亡くなった方が食べているからなんだそうです。こう聞くと「香りを食べるって、どういう事!?」と思う方もいるかもしれませんのでざっくりと説明しておきます。

そもそも、お墓参りに線香を焚く起源は、仏教発祥の地、インドに辿り着きます。インドの世親という僧侶は、「具舎論」という仏教の教理書をはじめ多くの著書を残し、大乗仏教の一大潮流を作った人物です。

その世親が書いた「具舎論」の中に、以下のような一文があります。

 

人は死後、生まれ変わるまでの四十九日の間、香を食す

 

つまり、人はなくなると、食べ物を味わったり飲みこんだりする事ができず、香りだけを食べると考えられていると事です。良い香りのお線香は、亡くなった人にとってごちそうという事なんですね。

ですから、私たちもお墓参りの時は、ご先祖様に「香りを召し上がってください!」という気持ちでお線香を焚いてみてはと思います。そうすると、お墓参りもより意味あるものになるに違いありません。

 

 

 

お墓参りでお線香をあげる正しい方法は?

 

ところで、皆さんはお墓参りの時、お線香を何本上げるでしょうか?よくよく考えると、線香をあげる意味が分かっても正しいあげ方も疑問なところですよね。

基本的にお線香の正しいあげ方というのは、自分の家族がどの仏教の宗派に属しているのかによっても異なってきます。

お線香のあげ方は各宗派によってさまざまな違いがあります。例えば、お線香をあげる本数やお線香を折るのかなどの違いがあります。お墓参りで線香をあげる手順を大まかにまとめると以下の通りです。

 

  • お墓の故人の方に軽く一礼します。
  • まず先にロウソクの方に火をつけます。
  • ロウソクの後で、お線香に火をつけてお供えします。
  • お線香はロウソクの火を移してつけるようにします。
  • そして、手であおいでロウソクの火を消すようにしましょう。
  • 複数本お供えする場合でも、一本ずつお供えしていきます。

 

お墓参りする時、大家族の時や団体でお参りする時は、代表がお線香をあげればよいという事です。無理に全員があげなくてはいかないという事はないそうです。

ただ、やはりお墓参りは作法以上に気持ちが大事なのではと私は思います。もし、私がお墓に入ったら、家族にはそうしてもらいたいですからね(笑)

 

お墓参りのお線香の本数は決まりがあるの?

 

お線香のあげ方と同時に覚えておきたいのが、お線香の本数です。これもまた、正確な本数を把握している人はいないのではないでしょうか?

実は、お線香をあげる本数にはきちんと意味が存在している場合があります。各宗派によって本数とそこに込める意味や想いが異なってきます。絶対守らないといけない訳ではないですが、各宗派ごとに調べておきたいところです。

因みに、私の属している浄土真宗では1本のお線香を数回折ってから寝かせてお供えします。

その他、真言宗の場合は3本のお線香を折らずにあげます。仏教では三宝という考え方があり、お線香の本数と宗教が密接している場合があるからだそうです。

よく分からないという時は、3本程度にしておくと良いでしょう。お線香を焚き過ぎるとお墓に灰がついて汚れたりもしますからね(;^ω^)

 

 

お寺の真ん中であげる線香は違う意味合いがある!

 

では、大きなお寺の中央にある香炉で焚かれている線香の香りもも死んだ人に食べてもらう為かというと、これまた違うそうです。お寺の中央に設置してある線香を焚く場を「常香炉(じょうこうろ)」といいます。

この常香炉で線香を焚くのは、その煙で体の悪いところが治ると信じられているからだそうです。

ですが、これにも諸説ありお寺で参拝前に煙を浴びるのは、けがれを落とす為だとされたり、香りで場を清める。香りで心を落ち着かせる。煙の壁で仏様に息がかからないようにする。煙で仏様と話すためなどとも言われています。

いずれにしても、仏教的な深い意味合いがあるのは間違いないですよね(^^)/

 

以上、お墓参りでお線香をあげる理由って?お線香をあげると供養になるの?…という話でした。