当たり前の事ですが、私たち日本人は人と別れる時に必ず手を振りますよね。恐らくですが、殆どの方は無意識に行っているでしょうから、意味なんて考え事もないのではないでしょうか?

 

そこであえて本記事では「いってらっしゃい」という時に手を振る理由を調べてみました(^^)/

手を振る理由は、万葉集に中にヒントがある?

 

なぜ、日本人は「いってらっしゃい!」という時に手を振るのかですが、理由は古代の日本の習慣に由来していると考えられます。奈良県の大学教授によると、手を振るのは相手の魂を引き寄せる為だという事です。

日本人が手を振っていた事が確認できる最古の資料は万葉集です。万葉集と言っても何となくしか分からないという方の為にざっくり説明を載せておくと…

 

【万葉集とは】

『万葉集』(まんようしゅう、萬葉集)は、奈良時代末期に成立したとみられる日本に現存する最古の和歌集です。万葉集の和歌はすべて漢字(万葉仮名を含め)で書かれているそうです。

天皇、貴族から下級官人、防人、大道芸人、農民、東国民謡(東歌)などさまざまな幅広い身分の人々が詠んだ歌4,500首以上(うち作者不詳の和歌が2,100首以上ある)もあり歴史的研究価値も高いです。

759年(天平宝字3年)までの約130年間の歌が全20巻に分類収録されており、体裁が整った成立は759年以後の780年頃にかけてとみられます。

 

この万葉集に登場する「袖振」という言葉が、「手を振る」に当たるそうです。

 

手を振るのは”相手の魂を引き寄せる”という意味!

 

「万葉集」では愛おしい相手と別れる時には、必ず袖を振って別れるという風に出てきます。古来、日本では服の袖には魂が宿ると信じられてきました。

これほどあなたの事を想って、袖を振って魂を引き寄せようとしている。それが相手に分かれば、相手の魂もまた、自分のところに来てくれるのではないかと思う訳です。

つまり、愛おしい人と別れる時に手を振るのは、相手の魂を引き寄せる仕草と考えられてきたのです。

手を振る事によって、肉体は分かれていても、魂は一緒にいるよという事を、相手にメッセージとして送る事ができる!そう考えるとどうでしょうか?

 

手を振る事が魂を招く行為の名残:伝統行事「平瀬マンカイ」

 

手を振る事が魂を招く行為として信じられていた名残の伝統行事というのがあるそうです。それが奄美大島(鹿児島県)の「平瀬マンカイ」です。

 

この行事は国の重要無形民俗文化財にも指定されています。人々が大きく手を振る事で「稲魂(にゃだ)」と呼ばれる稲の魂を招き寄せ、豊作祈願をするそうです。

ところで、引退コンサートなんかで、アイドルが盛んに客席に手を振っていますよね。あれってつまり、ファンクラブの会費やCD代だけでなく、ファンの魂をもらっていると考えれますよね(*´ω`*)

 

海外で別れ際に手を振る行為は、それぞれに理由がある!

 

人と別れる時の動作は、国や地域によって様々で、それぞれの理由があると考えれます。

英語圏の場合は親指以外の4本指をにぎにぎさせたりします。ヨーロッパでは手を挙げるだけの事が多いそうです。いずれにしても、私たちが行っている当たり前の行為が、意外とあたりまえでなかったりするという事ですね。

もしですが、海外旅行に行ったりしたら、現地の人が別れ際にどの様な仕草をしているのかチェックしてみると良いかもしれませんね(#^^#)

 

以上、「いってらっしゃい!」という時、手を振る理由って?みんな意味を知ってやっています?…という話でした。