毎年の事と言えば、毎年の事なのですが、飲み会や打ち上げで急性アルコール中毒で病院に運ばれたり、中には死亡してしまうというニュースも目にしますよね。

 

特にですが、大学生のサークルで上級生が下級生にビールの一気飲みをあおるケースもあります。そこで、この記事では急性アルコール中毒に陥った場合の正しい対処法についてまとめてみようと思います。

急性アルコール中毒とは、そもそもどんな状態なの?

 

恐らくですが、この記事を見ている方は”急性アルコール中毒”という言葉は知っているのではと思います。ですが、急性アルコール中毒が具体的にどの様な状態かを説明はできないのではないでしょうか?

急性アルコール中毒というのは、短時間に多量のアルコール(エタノール)を摂取することによって生じる中毒症状です。ですから、まさに学生のビールの一気飲みはそれに該当するという事です。

急性アルコール中毒は血液中のアルコール濃度が休場する事で起こる為、誰しも起こり得る可能性があります。特にアルコール摂取に慣れていない学生などは、なおさら注意が必要でしょう。

 

急性アルコール中毒が死亡事故に撫でなる原因とは?

 

では、急性アルコール中毒になると、なぜ死亡事故にまでなってしまうのかという事です。

アルコールには私たちの脳の神経を麻痺させる働きを持っています。アルコール一気に摂取すると、麻痺は大脳辺縁部から呼吸や心臓の働きを制御する脳幹部にまで進み、最終的には生命維持にかかわる脳の中枢神経までもを麻痺させてしまいます。

そうなると、呼吸機能や心拍機能を停止させて死亡する可能性が出てくるのです。以下は、血中アルコール濃度と症状の関係性を表したものです。

 

血中アルコール濃度と症状
0.05% 微酔期 陽気、気分の発揚
0.08% 運動の協調性の低下、反射の遅れ
0.10% 酩酊期 運動の協調性の明らかな障害(まっすぐに歩けない等)
0.20% 泥酔期 錯乱、記憶力の低下、重い運動機能障害(立つことができない等)
0.30% 昏睡期 意識の喪失
0.40%  昏睡、死

 
 上記の内容を見て分かる様に血中アルコール度濃度が0.4%を超えると脂肪の危険性が高くなります。その場合、大抵は1~2時間程度で約半数が死亡すると言われています。

よく若い方は「俺は酒に強いから大丈夫!」という事を訴えている光景を目にしますが、これは間違った解釈です。急性アルコール中毒というのは血液中のアルコール濃度によって引き起こされます。

 

ですから、「お酒に強い」「お酒に弱い」に関わらず誰しも急性アルコール中毒になるという事を覚えておく必要があります。

飲み始めてから1時間以内に日本酒で1升(1800ml)、焼酎で1080ml、ビールで10本(5000ml)、ウイスキーでボトル1本(750ml)程度飲んだ場合は急性アルコール中毒が疑われるとのデータもあります(;^ω^)

 

急性アルコール中毒には二次的なリスクで死亡事故も!

 

上記では、急性アルコール中毒で血液中のアルコール濃度が死亡事故につながると解説しました。ですが、急性アルコール中毒の恐ろしさは二次的なリスクにも隠されています。

あるニュースで私が目にした急性アルコール中毒の死亡例を紹介しておきます。

死亡したの薄井大学の男子学生です。男子大学生は午後7時から居酒屋で行われた飲み会にテニスサークルのメンバー10名とともに参加していたそうです。

しかし、開始1時間でビールのほか、ショットグラスで20杯ほどのウオッカを次々と一気飲みして泥酔、昏倒した。ウオッカのアルコール度数は40度程度だが、ショットグラスが1杯30mlだから、20杯で600ml分を飲んだことになる。

 男子学生が店内で大いびきをかき、反応を示さなくなったことから、午後9時半ころ、飲み会に参加していなかった当時2年の学生5名が介抱役として呼び出された。

 急性アルコール中毒の疑いがあり、飲み会に参加していた当時3年の上級生に処置を相談したが、「いびきをかいているから大丈夫やろ」などと言われた。

そして、そのまま大学の上級生宅に泊めてもらったそうですが、翌日、その学生の様子をうかがうと呼吸をしていなかったという事でした。その地の司法解剖の結果、呼吸器系に嘔吐物が詰まり窒息死したという事でした。

 

この事からも分かる様に、急性アルコール中毒は万が一の事態が起きた場合、意識が混濁している本人では対処できないというリスクもはらんでいるのです。

急性アルコール中毒の患者を放置するのは「保護責任者遺棄致死罪」に該当するケースすらあるというのです。

 

急性アルコール中毒で死亡事故を起こさない為には?

 

急性アルコール中毒というのは、病気と違いますから未然に防ぐことはできます。基本的に対処法と言っても、当たり前の事ばかりですが、以下の内容はしっかりと意識しておくべきでしょう。

 

【注意その1】一気飲みの強要は絶対NG!

 日本の大学や会社では、新人が場を盛り上げるために一気飲みするのが恒例のようなところがありますが、これがそもそもの間違いです。一気飲みを強要されても断るべきです。

一気飲みをするとどうなるかですが、例えば、気分が悪くそのものが入院した場合は傷害現場助勢罪、死亡させたら傷害致死罪に問われます。もはやパワハラとみるべき内容かもしれません。

 

【注意その2】泥酔した患者を放置しない!

急性アルコール中毒になった場合は、その後の対処で容態は大きく変わります。上記の様に「いびきをかいていたから」などという事で放置して、そのまま死亡というケースもあります。

 

仮にですが、出薄いしただ大丈夫だろうと勝手に判断し、その後死亡するような事故に発展した場合、保護責任者遺棄致死罪に問われる事もあります。

泥酔したものを穂位置すること自体問題なのです。もし、「意識が朦朧」「神経衰弱」などの症状があればすぐに医療機関にかかるべきです。

 

【注意その3】異変に感づいたらすぐに救急車!

 呼びかけても反応がない、つねっても反応がないという時は昏睡状態です。この場合、明らかに急性アルコール中毒で死亡事故のリスクが高くなっています。

その際にいびきをかいているから、本人が何とも言っていないから、ではなく、周りの者がすぐにでも救急車を呼ぶようにするべきです。対処が遅れるとそれだけリスクも高くなります。

救急車を呼ぼ程の事ではないと、躊躇する気持ちも分からなくもないのですが、ここは思い切って呼ぶべきです。

 

以上、一気飲みや泥酔で急性アルコール中毒に!死亡事故にならない為の対処法について…という話でした。