日本人というのはビジネスマナーについては、本当に厳しいところがあります。とは言え、それを知らずにいると思わぬところで恥をかくこともあります。勿論それは対人スキルにおいてもですが、挨拶文でも同じことが言えます。

 

 

そこで、この記事では、年末の挨拶文例を紹介しようと思います。例え、何気ない文章でもそこから人となり、その人の人柄や礼儀正しさが見えるものです。ぜひとも、相手に好印象を残せるよう参考にして下さい。

 

年末の挨拶状は一年を締めくくる大切なもの!

 

年末の挨拶状というのは、一年を締めくくる上でも大切になってきます。特にビジネスにおいては尚更です。取引先や上司、部下など仕事をする上で必ず関わってくるのですから。ですから、年末の挨拶文だからと言って手は抜けません。

 

特に年末の挨拶文は、来年の仕事へつなげる為の橋渡し役的な役割も担います。ただ、文章の書き方にも、日本独自のルールがあり、極めて難しいものです。年末に挨拶文を送る時は、必ず自分の文章が正しいものなのか確認するようにしましょう!

 

年末の挨拶文例(基本文例の場合)

 

先ずは、基本的な年末の挨拶文の文章例を見ていく事にしましょう。以下に紹介するのは取引先に送る場合の本当に基本中の基本の文章例です。

 

お取引先様各位

ご挨拶

拝啓

20●●年も残すところあとわずかとなりました。 
貴社に( 皆様に)おかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 本年は格別のご愛顧を賜り、まことに有難く厚く御礼申し上げます。
来年も、より一層のご支援を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。

敬具

平成◯◯年12月◯◯日

〒郵便番号
愛知県知立市新地町◯-◯-◯
電話. ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
FAX. ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
伊藤商事株式会社
代表取締役  伊藤弘明

 

①拝啓
②冒頭の挨拶
③一年間お世話になった御礼
④会社の年末年始の営業予定
⑤締めの挨拶
⑥敬具
⑦日付・住所・電話番号・FAX番号・会社名・代表取締役

□ ・・・ 空白をあけるという意味です。

 

これはあくまで基本形なので、絶対にそのように記載しないといけないという訳ではありません。但し、挨拶文特有のルールはあるので解説しておきます。

 

先ず上記の文章で気を付けるのは頭語が「拝啓」なら、結語は必ず「敬具」で締めくくるという事です。仮に頭語が「前略」なら、結語は「早々」となります。

 

次に「貴社に( 皆様に)おかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」というのは、取引先に対する決まり文章の様なものです。これもまた、礼儀の一つなので注意して下さい。

 

 

「ご清栄」の代わりに「ご清祥」という書き方も良く用いられます。その他にも以下の様に色々と定型文はあるので参考にして下さい。 ⇓ ⇓

 

●来年もより一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
●来年も変わらぬお引立てのほど、宜しくお願い申し上げます。
●本年中は格別のお引き立てを賜り、まことに有り難く厚く御礼申し上げます。
●来る年の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

 

ただ、この記事で表記した内容は挨拶文のごく一部にすぎません。もし、更に詳しいく知りたい時は以下の文章も参考にしてみて下さい。

 

年末の挨拶文例(取引先に送る場合)

次に先ほどの取引先に送る挨拶例を、もう少し丁寧にした場合ので紹介します。少しややこしいので、覚えるよりそのままコピーしてもらう方が早いかもしれません。

 

平成◯◯年12月

お取引先様各位

愛知県知立市新地町◯-◯-◯
電話. ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
FAX. ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
伊藤物産株式会社
代表取締役  伊藤弘明

年末年始の営業日のご案内

拝啓

貴社におかれましては、ますますご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。また平素は格別 のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
早速ではございますが、年末年始の営業日を下記の通 りご案内申し上げます。
なお、12月30日は15時をもちまして業務を終了する予定でございます。甚だ勝手ではございますが何卒ご了承の上、万障お繰り合わせ頂きますようよろしくお願い申し上げます。
本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますと共に、明くる年も変わらぬ ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

敬具

平成◯◯年 12月29日 平常通り
      12月30日 15時 営業終了(終了後 全体納会)
      12月31日 休業
平成◯◯年 1月 1日 休業
      1月 2日 休業
      1月 3日 休業
      1月 4日 通常通り営業

 

やはり先ほど同様に、頭語、結語の後は定型文が来るのが一般的です。また、定型文で他にも良く用いられるのが以下の文章例です。 ⇓ ⇓

 

●本年中は格別のお引き立てを賜り、まことに有り難く厚く御礼申し上げます。
●来年もより一層のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
●来年も変わらぬお引立てのほど、宜しくお願い申し上げます。
●来る年の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

 

ポイントとしては、誤字脱字や相手先の会社名、個人名は絶対に間違えない事です。ただの凡ミスと言っても、それが相手方に良くないイメージを与えるのは間違いないことです。その上で定型文の内容が大切になってきます。

 

取引先というのは会社内でも特に慎重に事を運ばなくてはいけません。もし、本当に必要な時は以下の参考書なども参考にされる事をおすすめします。

 

 

年末の挨拶文の例文(お客様に送る場合)

 

では、次に会社のユーザー、つまりお客様に挨拶文を送る場合です。「お客様は神様」と言われるようにお客様あっての仕事です。できる限りの誠意をもって、挨拶をする事が必須になります。

 

平成◯◯年12月

お客様各位

阿多羅志市阿多羅志町◯-◯-◯
電話. ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
FAX. ◯◯◯-◯◯◯-◯◯◯◯
伊藤物産株式会社
代表取締役  伊藤弘明

年末年始の営業日のご案内

平素は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
年末年始の営業日を下記の通りご案内申し上げます。
なお、12月30日は15時をもちまして業務を終了する予定でございます。甚だ勝手ではございますが何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。
本年中のご愛顧に心より御礼申し上げますと共に、明くる年も変わらぬ お引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

    12月31日~1月3日はお休みとさせて頂きます
平成◯◯年 12月29日 平常通り
      12月30日 15時 営業終了(終了後 全体納会)
      12月31日 休業
平成◯◯年 1月 1日 休業
      1月 2日 休業
      1月 3日 休業
      1月 4日 通常通り営業

 

お客様に挨拶状を送る場合ですが、挨拶文の構成自体は取引先とさほど変わりはないです。ですが、頭語、結語がないことや定型文の違いには注意が必要です。取引先の定型文をそのまま使用しない様に気を付けて下さい。

 

 

 

年末の挨拶状の例文(社員へのねぎらいで送る場合)

 

経営者の方や重役の方は、会社員へのねぎらいという事もビジネスにおいては大切になってきます。たかが挨拶文と考えていても、その何気ない配慮が積みかなれば社員の信用にもつながるというものです。

 

社員向けの挨拶文というのは、取引先やお客様ほど堅苦しくなくても良いでしょう。但し、あくまでもねぎらいの気持ちはしっかりと込めておく事がポイントです。

 

20●●年も残すところ残りあとわずかとなりました。 
今年は景気の低迷や取引先の倒産など、いろんなことがありましたが、皆さんには本当に良く頑張って頂きました。
お正月はゆっくり身体を休めて英気を養ってください。
年明け◯月◯日には、また元気な顔でお会いしましょう。
一年間、本当にご苦労様でした。

平成◯◯年12月◯◯日

伊藤商事株式会社
代表取締役  伊藤弘明

 

20●●年も残すところ残りあとわずかとなりました。 
今年もいろんなことがありましたが、皆さんには本当に良く頑張って頂きました。一年間、本当にご苦労樣でした。
新しい年も課題山積です。皆さんと心を一つにして取組んでいきたいと思います。来年も一緒に頑張りましょう。

平成◯◯年12月◯◯日

伊藤商事株式会社
代表取締役  伊藤弘明

 

 

以上で、ビジネスにおける挨拶文例はひとまずやめておきます。ですが、繰り返しになりますが、私がここで紹介した内容はあくまでもほんの一例です。そのままでよい事もあるでしょうが、時と場合により文章を使い分けたいところです。

 

以下に補足も載せておきますので、良ければ参考にして下さい。

 

年末の挨拶状を送るタイミングはいつ?

 

挨拶状というのは文章内容もそうですが、その挨拶状を出すタイミングというのも大切になってきます。例えばですが、年末の挨拶場だからという事で、年の瀬のギリギリに相手の取引際に挨拶状を送ったとします。

 

ですが、もしその取引先に挨拶状が届くよりも先に連休人入ってしまったらどうなるでしょうか?言うまでもなく取引先の方は、年末の挨拶状を新年の始めに目にする事になります。決してマナーが良いとは言えないですよね・・・

 

やはり、年末は連休に入る会社もあるので多少の余裕を持たせて送るのが良いでしょう。手紙などの形で郵送する場合は12月20日前後にすると良いでしょう。メールなどの場合は25日前後までには送ると良いでしょう。

 

もし、直接、取引先に訪問する場合は、アポイントを取っておくことを忘れずにしたいところです。訪問したのに、不在だったという事がないように注意し、「お世話になりました。来年もよろしくお願いします。」という気持ちを、しっかりと伝えるべきです。

 

以上で、年末の挨拶上の内容はまとめておきますが、私自身もまだまだだなと自分自身で思います。日本のビジネスマナーというのは本当に難しいものですね(苦笑)