寒い時期になると、やはりお風呂に入るのが楽しみになってきます。

 

ですが、そんなお風呂ですが、なぜか寒い時期に溺死する人が多くなるともいわれています。

いったいなぜ、日本のお風呂で溺死する人が多いのかというと・・・

 

ヒートショックとは、いったい?

 

 

寒い時期に、お風呂に入る高齢者の中には、突然、溺死してしまう方がいます。

一般的に、この様な高齢者の方が溺死する原因を調べていくと「ヒートショック」という症状が挙がります。

ヒートショックというと、言葉こそはよく聞きますが、症状の詳しい原因は意外と知らない方も多いのではと思います。

そこで、先ずヒートショックの原因について、以下にまとめておきました。

 

ヒートショックの原因と症状について!

 

▼ヒートショックの解説動画▼

※動画再生時、音が出ます※

 

ヒートショックとは、急激な温度の変化で身体がダメージを受ける際に現れる症状です。

 

特に冬場の入浴は、暖かい居間から寒い風呂場へ移動するため、急激な温度変化が起きます。

 

すると、人の体温は急激な温度変化の為に奪われしまいます。すると、血管が縮み、血圧が上がります。

逆に、お湯につかると血管が広がって急に血圧が下がります。

このような急激な温度変化を繰り返す事により、血圧が何回も変動することになります。

 

寒いトイレでも似たようなことが起こりえます。

血圧の変動は心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中につながります。

このような症状をまとめて、ヒートショックと呼ぶという事です。

 

ヒートショック 厚生労働省 死者数

 

 

では実際に厚生労働省の統計で、ヒートショックによる日本の年間の患者数もどれくらいかも触れておきます。

少しデータは古いですが、以下のような統計が発表されています。

 

①救急隊からのデータ(1,087件)

○気温が低くなる時期に発生件数が増加(10月138件vs1月229件)

○浴槽内での発生が76%、洗い場が18%、脱衣所が4%であった。

○年齢が判明した970件のうち、7割が70歳以上であった。

○心肺停止は574件(53%)、92%が浴槽内で発生し、71%が溺没(顔面が水没)。

○浴槽から自力脱出困難な傷病者(救助例)は258件(24%)、その28%に溺没を認めた。自力脱出困難の主な理由は意識障害で、その原因として入浴中の低血圧(16%)、高体温(38度以上40%)の関与が考えられた。

○心肺停止群では事故発見に平均線約60分を要し、救助群では約30分であった。

 

②搬送先医療機関からのデータ(回答率50%、553件)

○救助例155件の診察は一過性意識障害85%、意識障害6%、くも膜下出血4%、脳出血2%、痙攣発作2%、脳梗塞1%であった。

○救助例の心電図施行率は57%(虚血性病変0%)、頭部CT施行率は58%(出血性病変8%)であった。

○救助例の半数は帰宅していた。

 

ヒートショックの予防対策はどうすればよいの?

 

 

では、どうしたらヒートショックの予防対策ができるかが気になるところです。

 

以下に、ヒートショックの予防対策の例を載せておくので参考にして下さい(^^)/

 

入浴前後には、しっかりと水分を補給する!

入浴している最中、体温が上昇する事で汗をかきます。すると、体内の水分量が減り血液の濃度が上昇します。

血液濃度が上昇すると、血管内で血栓ができやすく、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります。

入浴前と後で水を飲むことで、血圧や血流の変動による障害を引き起こさない状態を作るのが理想です。

 

食事をした直後は、入浴を避ける!

食事をすると、胃や腸などの消化器官に血液が集まります。その状態で入浴するのは危険です。

消化器官に血液が集中した状態で入浴すると、血圧の変化で心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが高くなります。

また、飲酒に関しても同様の事が言えます。飲酒すると、血管が拡張し血圧低下を起こしやすくなります。

その状態で入浴はより心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。飲酒後の入浴も避けるべきです。

 

部屋と脱衣所・浴槽の温度差をできる限り無くす!

部屋と脱衣所・浴槽の温度差があると体温も急激に変化します。

近年は浴槽がタイルではないケースも多く従来ほど冷たさを感じない住宅も多くはなってきています。

ただ、昔ながらの脱衣所で浴槽もタイルで冷たい場合、暖房を入れるなどひと工夫をするのも良いでしょう。

お湯を張った浴槽のフタを開けておくなどすれば、浴室内は暖まります。

特に雪が降る様な天気の時は、浴槽などの温度にも気を配る様にしてみるべきでしょう。

 

寒いからといって、暑いお湯に一気につからない!

寒い時期は特にですが、体を温めるために高温のお湯につかりがちになります。

ですが、冷えた体をいきなり高温のお湯につけると、体温が一気に上昇し、心筋梗塞などリスクが高くなります。

入浴時は予め、かけ湯をして体を徐々にお湯の温度に慣らしておくと良いでしょう。

お湯の理想の温度は、38℃~40℃程度のぬるめのお湯です。そこから、徐々に温度を上げるのが理想です。

それ以外にも長湯のし過ぎは、心臓に負担がかかりやすくなります。疲労感が増し、転倒しやすくなります。

また、血圧が下がりすぎてしまい、入浴後に血圧が急上昇すると、そのショックで症状が発生しやすくなります。

浴槽から出るとき、注意が必要です。急に立ち上がると血圧は急激に下がり、立ちくらみや転倒のリスクが高まります。

 

ヒートショックの原因と対策:日本では「お風呂で溺死」する人が多い理由とは?…という話でした。