Windows OS クリーンインストール 手順の完全ガイド|USB作成から初期設定まで解説

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パソコンの動作が遅くなったり、不要なファイルやプログラムが溜まりすぎて容量を圧迫していると感じたことはありませんか?そんな時、Windowsのクリーンインストールはパソコンを工場出荷時の状態に戻し、パフォーマンスを劇的に改善する有効な手段です。

しかし、初めてクリーンインストールを行う方にとっては、難しく感じるかもしれません。

この記事では、クリーンインストールがなぜ必要なのかという基礎知識から、インストール用USBの作成方法、BIOS設定、そしてOSの初期設定まで、一連の手順を初心者の方でも安心して実行できるよう、丁寧に解説します。


【この記事で分かること】

  • クリーンインストールと再インストールの違い
  • クリーンインストールが必要になる具体的なケース
  • クリーンインストールを始める前の準備と注意点
  • Windows OSをクリーンインストールする具体的な手順




Windows OS クリーンインストールの基礎知識

パソコンの動作が不安定になったり、不要なデータが溜まって重くなったりした際、多くの方が選択肢として考えるのが「再インストール」です。しかし、実は再インストールにはいくつかの種類があり、その中でも根本的な問題解決に役立つのが「クリーンインストール」です。

ここでは、クリーンインストールとは何か、なぜそれが必要になるのか、そしてどのようなメリット・デメリットがあるのかについて、基礎から解説していきます。


クリーンインストールとは?再インストールとの違いを解説

「クリーンインストール」とは、パソコンのストレージ(HDDやSSD)の内容をすべて消去し、まっさらな状態からWindows OSを新たにインストールし直す作業のことです。例えるなら、部屋のいらないものをすべて捨てて、一から家具を配置し直すようなものです。

これに対して「再インストール」は、一般的に「上書きインストール」や「回復オプション」を利用したOSの再導入を指すことがあります。これらの方法では、システムファイルや設定はリセットされますが、既存のデータやプログラムの一部が残ることがあり、根本的な問題が解決しないケースもあります。


Windows OS クリーンインストールが必要になるケース

クリーンインストールは、次のような状況で特に効果を発揮します。

・パソコンの動作が極端に遅くなった時 長期間使用していると、プログラムのアンインストール痕跡や不要なレジストリ情報が蓄積し、パソコンの動作が鈍くなります。クリーンインストールは、これらの不要なゴミを完全に除去し、購入時の軽快な動作を取り戻します。

・ウイルスやマルウェアに感染した可能性がある時 通常のウイルス対策ソフトでは駆除しきれない悪質なウイルスやマルウェアに感染した場合、ストレージを初期化するクリーンインストールは最も確実な対策の一つです。

・パソコンを売却・譲渡する時 個人情報保護の観点から、パソコンを他人に譲る前にはストレージの完全消去が必須です。クリーンインストールは、データを完全に消去するため、安心して手放すことができます。

・OSをアップグレードする時 Windowsのメジャーアップデート(例:Windows 10からWindows 11へ)を行う際、クリーンインストールを選択することで、より安定した環境を構築できます。上書きアップグレードでは、古いOSの情報が残り、トラブルの原因になることがあります。


クリーンインストールのメリットとデメリット

クリーンインストールには、以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット  パフォーマンスの向上  不要なソフトウェアの削除  システムトラブルの解消

デメリット  データがすべて消える  再設定に時間がかかる  ライセンス認証の確認が必要

クリーンインストールは、パソコンのパフォーマンスを向上させ、トラブルを解消する強力な手段ですが、実行する前にデータのバックアップや必要なライセンス情報の確認を怠ると、大きな問題に発展する可能性があります。特に、大切なデータが消えてしまうリスクは、最も注意すべき点です。


事前に確認しておきたい注意点とリスク回避方法

クリーンインストールを始める前に、必ず確認すべき重要なポイントがいくつかあります。これらの準備を怠ると、最悪の場合、大切なデータを失ったり、パソコンが使えなくなったりするリスクがあります。

データバックアップ クリーンインストールを行うと、ストレージ内のデータはすべて消去されます。写真、動画、ドキュメント、メールデータなど、失いたくないデータは必ず外付けHDDやUSBメモリ、クラウドサービスなどにバックアップしておきましょう。

ドライバーの準備 OSをインストールしただけでは、すべてのハードウェアが正常に動作するとは限りません。特にグラフィックボード、ネットワークアダプタ、マザーボードなどのドライバーは、事前にメーカーのウェブサイトからダウンロードして、インストール用USBとは別の場所に保存しておくことを強くお勧めします。

Windowsのライセンス情報 クリーンインストール後には、Windowsのライセンス認証が必要になります。通常、デジタルライセンス(Microsoftアカウントに紐づけられている)であれば自動的に認証されますが、プロダクトキーが必要な場合もあります。事前に「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」で確認しておきましょう。


初心者がつまずきやすいポイントと解決策

クリーンインストールは、初心者にとっては少し複雑に感じられるかもしれません。特に以下のポイントでつまずきやすいので、事前に確認しておきましょう。

BIOS/UEFI設定 インストール用USBから起動させるためには、パソコンの起動順序を変更する必要があります。この設定は、メーカーやマザーボードの種類によって異なります。パソコンの起動時に表示される「F2」や「Del」キーを押して設定画面に入り、起動順序を変更します。詳細は各マザーボードメーカーのマニュアルを参照してください。

(参考:ASUS公式サポート

パーティション設定 Windowsのインストール時に、ストレージのパーティションをどのように分割するか聞かれます。既存のパーティションをすべて削除し、新しいパーティションを作成するのが一般的です。

既存のデータを消去したくない場合は、異なるパーティションにOSをインストールすることも可能ですが、クリーンインストールの目的を考えると、すべてのパーティションを削除して再構築することをお勧めします。


Windowsのライセンス認証に関する基礎知識

Windowsのライセンス認証は、そのWindowsが正規のものであることを確認するためのプロセスです。クリーンインストール後、この認証が正しく行われないと、一部の機能が制限されたり、壁紙が変更できなくなったりします。

デジタルライセンス Windows 10/11のほとんどは、Microsoftアカウントに紐づけられた「デジタルライセンス」を使用しています。クリーンインストール後、インターネットに接続し、同じMicrosoftアカウントでログインすれば、自動的に認証されます。

プロダクトキー 古いバージョンのWindowsや、PC購入時にプロダクトキーが提供された場合は、そのプロダクトキーを入力して認証する必要があります。プロダクトキーは、通常25桁の英数字で構成されています。


クリーンインストールに必要な準備一覧

クリーンインストールをスムーズに進めるために、以下のものを事前に用意しておきましょう。

必要なもの  データバックアップ用の外付けストレージ(HDD/SSD、USBメモリなど)  Windowsインストール用メディア(USBメモリまたはDVD)  インターネット接続環境  別のPC(インストール用メディア作成用)  必要なドライバーファイル  Windowsのプロダクトキー(必要な場合)


Windows OS クリーンインストールの具体的な手順

ここからは、実際にWindowsをクリーンインストールする具体的な手順を、ステップごとに分かりやすく解説していきます。この手順を順番に実行すれば、初心者の方でも安心して作業を進めることができます。準備段階で用意したものを手元に置き、焦らずに一つ一つの作業を丁寧に行っていきましょう。


【以下で分かること】

  • Windowsインストール用USBの作成方法
  • BIOS設定の変更方法
  • Windowsセットアップ画面での具体的な操作
  • クリーンインストール後の初期設定と最終チェック

Windows OS インストール用USBの作成方法

Windowsのインストールには、「インストールメディア」と呼ばれるUSBメモリやDVDが必要です。ここでは、マイクロソフト公式のツールを使ってUSBメモリを作成する方法を解説します。


準備するもの

・空のUSBメモリ(8GB以上推奨)

・インターネット接続された別のパソコン


手順

  1. マイクロソフト公式サイトにアクセスし、「Windows 11のインストールメディアを作成する」の項目から「メディア作成ツール」をダウンロードします。
  2. ダウンロードしたツールを実行し、ライセンス条項に同意します。
  3. 「実行する操作を選んでください」の画面で、「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択して「次へ」をクリックします。
  4. 言語、エディション、アーキテクチャを選択します。通常は推奨設定のままで問題ありません。
  5. 「使用するメディアを選んでください」の画面で、「USBフラッシュドライブ」を選択し、事前に接続しておいたUSBメモリを選んで「次へ」をクリックします。
  6. ツールが自動的にWindowsのダウンロードとインストール用USBメモリの作成を開始します。完了するまで待ちます。

これでインストール用USBの作成は完了です。作成したUSBメモリは、クリーンインストールするパソコンに接続します。


BIOS設定でUSBから起動する手順

クリーンインストールを始めるには、パソコンの起動順序を「インストール用USB」が一番最初になるように変更する必要があります。


手順

  1. クリーンインストールを行うパソコンの電源を入れ、メーカーロゴが表示されている間に指定のキー(F2、Del、F10など)を連打します。キーはメーカーや機種によって異なるため、画面に表示される指示に従ってください。
  2. BIOS/UEFI設定画面に入ったら、「Boot」(起動)や「Boot Priority」(起動優先順位)といった項目を探します。
  3. 起動順序の一番最初に、作成したUSBメモリ(メーカー名や型番が表示されることが多い)を移動させます。
  4. 設定を保存して再起動します。通常は「Save and Exit」(保存して終了)や「F10」キーで保存できます。

これでパソコンがUSBメモリから起動するようになります。もし手順が分からない場合は、メーカーのサポートサイトを参照するか、パソコンのマニュアルを確認してください。

(参照元:Dellサポート


Windows セットアップ画面での操作手順

BIOS設定を終えてパソコンを再起動すると、いよいよWindowsのセットアップ画面が表示されます。ここからは、画面の指示に従って操作を進めます。


手順

  1. 言語、時刻と通貨の形式、キーボードまたは入力方式を選択し、「次へ」をクリックします。
  2. 「今すぐインストール」をクリックします。
  3. プロダクトキーの入力画面が表示されます。デジタルライセンスの場合は「プロダクトキーがありません」を選択します。後でインターネットに接続すると自動で認証されます。
  4. インストールするWindowsのエディションを選択します。通常は「Home」か「Pro」です。元々インストールされていたエディションと同じものを選択してください。
  5. ライセンス条項に同意し、「次へ」をクリックします。
  6. インストールの種類を選択します。「カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)」を選択してください。これがクリーンインストールを行うための重要な選択肢です。

パーティション設定とフォーマットのやり方

クリーンインストールで最も重要な作業の一つが、このパーティション設定です。ここでストレージを完全に消去し、Windowsをインストールする準備をします。


手順

  1. 「Windowsのインストール場所を選択してください」という画面が表示されます。
  2. ここには、パソコンに接続されているストレージのパーティションが一覧で表示されます。これらをすべて選択し、「削除」をクリックしていきます。誤って外部ストレージのパーティションを削除しないように注意してください。
  3. パーティションをすべて削除すると、「ドライブ○の未割り当て領域」という表示になります。
  4. 未割り当て領域を選択し、「新規」をクリックします。Windowsのインストールに必要な領域が自動的に割り当てられます。通常、このままで問題ありません。
  5. 最後に、新規作成したパーティションを選択して「次へ」をクリックします。Windowsのインストールが自動で開始されます。

OSインストール完了後の初期設定方法

Windowsのインストールが完了すると、パソコンが再起動し、初期設定画面が表示されます。


手順

  1. 地域、キーボードレイアウト、ネットワーク接続などを設定します。
  2. Microsoftアカウントでサインインします。これによって、ライセンス認証が自動的に行われます。アカウントを持っていない場合は新規作成できます。
  3. PIN、プライバシー設定、デバイスの使用目的などを設定します。これらは後から変更可能です。
  4. すべての設定を終えると、デスクトップ画面が表示されます。これでクリーンインストールは完了です。

ドライバーやWindows Updateの実施手順

クリーンインストール直後のパソコンは、最小限のドライバーしかインストールされていません。インターネットに接続したら、すぐに以下の作業を行いましょう。


手順

  1. Windows Update  デスクトップが表示されたら、まずインターネットに接続し、Windows Updateを実行します。これにより、セキュリティ更新プログラムや、多くの基本的なドライバーが自動的にインストールされます。  「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」から「更新プログラムのチェック」をクリックします。
  2. メーカー製ドライバーのインストール  Windows Updateでは補完しきれない、グラフィックボードやサウンドカードなどの専用ドライバーは、事前に用意しておいたファイルをインストールします。各メーカーの公式サイトから最新版をダウンロードしておくのがおすすめです。  (参考:NVIDIAドライバーダウンロード
  3. 必要なアプリケーションのインストール  お気に入りのブラウザやOfficeソフトなど、普段使用するアプリケーションをインストールします。

これらの作業を終えれば、クリーンインストールしたパソコンが快適に使用できるようになります。


クリーンインストール完了後の確認と最終チェック【まとめ】

長時間の作業、お疲れ様でした。クリーンインストールが完了したら、最後にいくつかの項目をチェックして、すべてが正常に動作していることを確認しましょう。


  • インターネット接続が正常か
  • サウンドが再生されるか
  • グラフィックが正常に表示されているか
  • ストレージの容量が正しく認識されているか
  • すべての周辺機器(プリンター、マウスなど)が動作するか
  • Windowsが正しくライセンス認証されているか
  • バックアップしたデータが復元できたか
  • 必要なアプリケーションはすべてインストールされているか
  • パソコンの動作速度は改善されたか ・不要なファイルが残っていないか

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