「Windowsのアップデートが終わらない…」「失敗を繰り返してどうしたらいいか分からない…」そんな悩みを抱えていませんか?Windows10は定期的に新しい機能やセキュリティの強化のためにアップデートが必要です。しかし、そのアップデートがうまくいかず、何度も失敗を繰り返してしまうという声も少なくありません。
アップデートの失敗を放置していると、PCの動作が不安定になったり、ウイルス感染のリスクが高まったりと、さまざまな危険が伴います。本記事では、Windows10のアップデートが失敗する主な原因と、誰でも簡単にできる7つの対処法を、プロの視点から分かりやすく解説します。
【この記事で分かること】
- Windows 10のアップデートが失敗する原因
- アップデートが失敗したときに試すべき7つの具体的な対処法
- なぜアップデートを放置してはいけないのか
- PC初心者でもできるトラブルシューティングの方法
Windows10 アップデート失敗の主な原因を知っておこう
Windows10のアップデートが失敗する原因は一つではありません。PCの環境や設定、使用状況によって、さまざまな問題が複合的に絡み合っていることが多いです。原因を特定することで、適切な対処法が見えてきます。まずは、なぜアップデートがうまくいかないのか、その主な原因を理解しておきましょう。
ストレージの空き容量不足でアップデートが途中で止まる
Windows10の大型アップデート(機能更新プログラム)は、非常に大きなデータ容量を必要とします。一般的に、アップデートファイルをダウンロードして展開し、新しいシステムファイルを書き込むために、最低でも10GB、推奨では20GB以上の空き容量が必要です。
PCのCドライブの空き容量が不足していると、アップデートの途中でデータが書き込めなくなり、強制的に中断されてしまいます。これが、アップデート失敗の最も一般的な原因の一つです。特に古いPCや、容量の小さいSSDを搭載したPCでは、この問題が頻繁に起こります。
写真や動画、不要なアプリなどが溜まっていると、気づかないうちにストレージが圧迫されていることがあります。アップデートを始める前に、必ずCドライブの空き容量を確認し、不要なファイルは削除するか、別のドライブに移動させて容量を確保することが重要です。
ストレージの空き容量を確認するには、エクスプローラーを開き、左側のナビゲーションウィンドウから「PC」を選択します。すると、各ドライブの使用状況が一目で分かります。Cドライブの容量が赤く表示されている場合は、すぐにでも空き容量を増やす必要があります。
手軽に空き容量を増やす方法としては、「ディスククリーンアップ」ツールを使うのがおすすめです。
ディスククリーンアップツールの使い方
Windowsのスタートメニューで「ディスククリーンアップ」と検索し、アプリを起動します。 クリーンアップするドライブ(通常はCドライブ)を選択します。 「システムファイルのクリーンアップ」をクリックし、不要なアップデートファイルやキャッシュ、ゴミ箱の中身などを削除します。
これらの作業で、数GBの空き容量を簡単に確保できる場合があります。また、容量の大きい動画やゲームデータなどを外付けHDDなどに移すのも有効な手段です。
ウイルス対策ソフトがアップデートをブロックしている
ウイルス対策ソフトは、PCを悪意のあるプログラムから守るための重要な役割を担っています。しかし、そのセキュリティ機能が過敏に働きすぎると、Windows Updateのプロセスをマルウェアと誤認し、ブロックしてしまうことがあります。
特に、サードパーティ製のウイルス対策ソフトを使っている場合、この問題が起こりやすいです。アップデートの際には、システムの中枢部分に大きな変更が加えられるため、ウイルス対策ソフトが予期せぬ挙動と判断し、安全のためにアップデートを停止させてしまうケースがあります。
この場合、ウイルス対策ソフトを一時的に無効化することで、問題が解決することが多いです。ただし、ウイルス対策ソフトを無効にしている間は、PCが危険な状態にさらされることになりますので、インターネット接続を遮断するか、信頼できるネットワーク環境でのみ行うようにしてください。
ウイルス対策ソフトの一時的な無効化は、各ソフトの設定画面から行うのが一般的です。例えば、「リアルタイム保護を無効にする」や「ファイアウォールをオフにする」といった項目を探して設定を変更します。
ウイルス対策ソフト無効化の注意点
アップデートが完了したら、速やかにウイルス対策ソフトを有効に戻しましょう。無効にしたまま放置すると、ウイルスや不正アクセスによる被害を受けるリスクが高まります。 アップデートの最中だけでなく、ダウンロード中からエラーが出る場合は、まずウイルス対策ソフトを疑ってみるのが良いでしょう。
「Windows Defender」など、Windowsに標準搭載されているセキュリティ機能を使っている場合でも、まれに競合が起きることがあります。 多くのウイルス対策ソフトメーカーの公式サイトでは、Windows Update時のトラブルシューティングに関する情報を提供しています。一度、お使いのソフトのサポートページを確認してみるのも良いでしょう。
(参照元:Norton Support)
古いドライバーやソフトが競合して失敗することがある
Windowsのアップデートは、PCのハードウェアやソフトウェアの構成に大きく影響を与えます。そのため、インストールされているドライバーやアプリケーションが最新のWindowsバージョンに対応していない場合、アップデートの途中でエラーが発生し、失敗してしまうことがあります。
特に、グラフィックボードやサウンドカード、プリンターなどの周辺機器のドライバーが古いままになっていると、互換性の問題が起こりやすいです。ドライバーはハードウェアを正しく動作させるためのソフトウェアであり、古いバージョンでは新しいOSの機能や仕様に対応できないことがあります。
また、古いバージョンのアプリケーションも同様に、新しいOS環境で正常に動作しないことがあり、アップデートプロセスと競合してエラーを引き起こす原因となります。
アップデートが失敗する原因として、ドライバーの競合が疑われる場合は、まず主要なドライバーをすべて最新のものに更新してみましょう。
ドライバーを更新する方法
デバイスマネージャーを使用する: スタートメニューを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。更新が必要なデバイス(例:ディスプレイアダプター、サウンド、ビデオ、ゲームコントローラーなど)を右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
各メーカーの公式サイトからダウンロードする: より確実な方法として、PCメーカーや各ハードウェアメーカー(NVIDIA、AMD、Intelなど)の公式サイトから、最新のドライバーを直接ダウンロードしてインストールします。
古いソフトのアンインストールも検討
アップデート後に動作しなくなる可能性のある古いアプリケーションは、一時的にアンインストールしてからアップデートを試すのも一つの手です。アップデートが完了した後に、最新版を再インストールするようにしましょう。
アプリケーションがアップデートの競合を引き起こしているかを確認するには、クリーンブートを行う方法もあります。これにより、Windows起動時に不要なプログラムが読み込まれるのを防ぎ、問題の切り分けがしやすくなります。
Windows Updateの一時ファイルが破損している
Windows Updateは、アップデートを適用する前に、必要なファイルを一時的に保存するフォルダを持っています。このフォルダ内のファイルが何らかの理由で破損していると、アップデートプロセスが正常に進行せず、エラーが発生してしまいます。
一時ファイルが破損する原因としては、アップデートの途中でPCの電源が切れたり、ネットワーク接続が不安定になったりすることが考えられます。また、長期間PCをシャットダウンせずに使い続けている場合も、一時ファイルが不安定になることがあります。
この問題を解決するには、Windows Updateの一時ファイルをすべて削除し、クリーンな状態で再度アップデートを試みることが効果的です。
この操作は、PC初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんが、手順通りに行えば安全に実行できます。
Windows Update一時ファイルの削除手順
スタートメニューを右クリックし、「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。
Windows Updateサービスを停止するnet stop wuauserv
と入力してEnterキーを押します。 net stop cryptSvc
と入力してEnterキーを押します。 net stop bits
と入力してEnterキーを押します。 net stop msiserver
と入力してEnterキーを押します。 これらのコマンドは、Windows Updateに関連するサービスを一時的に停止させます。
一時フォルダをリネームするren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
と入力してEnterキーを押します。 ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
と入力してEnterキーを押します。
これで、アップデートの一時ファイルが保存されているフォルダの名前が変更され、実質的に新しいフォルダが作成されることになります。
Windows Updateサービスを再開するnet start wuauserv
と入力してEnterキーを押します。 net start cryptSvc
と入力してEnterキーを押します。 net start bits
と入力してEnterキーを押します。 net start msiserver
と入力してEnterキーを押します。
これらの操作を実行すると、Windows Updateは新しい一時フォルダを作成し、最初からファイルをダウンロードし直します。この方法で問題が解決するケースは非常に多いです。
(参照元:Microsoft Support)
アップデート中の電源遮断やネット切断も失敗原因に
Windowsのアップデートは、非常にデリケートなプロセスです。アップデートの途中でPCの電源が突然切れたり、インターネット接続が途切れたりすると、ファイルが正常に書き込まれず、アップデートが失敗する原因となります。
特に、ノートPCの場合は、アップデート中にバッテリーが切れてしまわないように、必ずACアダプターを接続してから行うようにしましょう。また、Wi-Fi接続が不安定な環境でアップデートを行うと、ファイルのダウンロード中に接続が切断されてしまい、ダウンロードが中断されることがあります。
この場合、最初からやり直すか、ファイルが破損してエラーを吐くこともあります。
安定した環境を整えることの重要性
アップデートを始める前には、以下の点を必ず確認してください。
- 電源の確保
デスクトップPCはもちろん、ノートPCも安定した電源に接続する。 - ネットワークの安定化
可能であれば、Wi-Fiではなく有線LANで接続する。Wi-Fiを利用する場合も、ルーターの近くで行い、通信が安定していることを確認する。 - 中断しない環境
アップデートは数時間かかることもあります。その間はPCを操作しないようにし、スリープ設定も一時的に無効にしておくのが良いでしょう。
万が一、アップデート中にPCがフリーズしたり、動かなくなったりした場合は、やむを得ず強制終了するしかないこともあります。
しかし、強制終了はシステムの破損を招く危険があるため、最終手段として考えましょう。強制終了してしまった後は、まずはPCを再起動し、Windowsが正常に立ち上がるかを確認します。もし起動しなかった場合は、後述する回復ドライブからの修復が必要になることがあります。
このため、アップデート前には、重要なデータのバックアップを取っておくことを強くお勧めします。
システムファイルの破損が影響しているケースも
Windowsのアップデートが失敗する原因として、システムファイル自体の破損が挙げられることがあります。システムファイルは、Windowsを動かすために不可欠なファイル群です。何らかの理由でこれらのファイルが破損すると、アップデートプロセスが参照すべきファイルを見つけられず、エラーが発生してしまいます。
システムファイルが破損する原因としては、PCの強制終了、マルウェア感染、ハードディスクの物理的なエラーなどが考えられます。この問題は目に見えない部分で起こっているため、ユーザーが気づくのは難しいことが多いです。
この問題を解決するには、Windowsに標準で搭載されているシステムファイルチェッカー(SFC)ツールを使用するのが最も簡単で効果的です。
システムファイルチェッカー(SFC)の使い方
スタートメニューを右クリックし、「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。 sfc /scannow
と入力してEnterキーを押します。 このコマンドを実行すると、Windowsがシステムファイルをスキャンし、破損しているファイルがあれば自動的に修復してくれます。
スキャンには時間がかかることがありますが、途中で中断せずに最後まで実行させてください。 スキャンが完了すると、「破損したファイルを検出しましたが、一部を修復できませんでした」といったメッセージが表示されることがあります。その場合は、次に紹介するDISMツールを試してみるのが良いでしょう。
DISMツールとは?
DISM(Deployment Image Service and Management)ツールは、より強力なシステム修復ツールです。Windowsのシステムイメージ(OSのインストール元となるファイル)自体を修復する機能を持っています。
DISMツールの使い方
先ほどと同様に、管理者権限でコマンドプロンプトまたはPowerShellを起動します。 DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
と入力してEnterキーを押します。
このコマンドは、Windows Updateを通じて最新のシステムイメージをダウンロードし、破損したファイルを修復します。SFCツールで解決できなかった問題も、このツールで解決できる可能性があります。
ハードディスクやSSDの故障が隠れた原因になっている
これは最も深刻な原因の一つですが、PCのストレージ(ハードディスクドライブやSSD)に物理的な故障や論理的なエラーが発生している場合、アップデートが失敗することがあります。
アップデートは大量のデータを読み書きするプロセスであるため、ストレージにわずかな問題があるだけでも、データの書き込みに失敗してエラーが発生してしまうことがあります。
特に、長年使っているPCや、衝撃を与えてしまったことのあるPCでは、ストレージの劣化や不具合が隠れている可能性が考えられます。もし、PCの動作が全体的に遅くなったり、フリーズする回数が増えたりしている場合は、ストレージの健康状態をチェックしてみることをお勧めします。
ストレージの健康状態を確認する方法
- CrystalDiskInfo:
これは非常に有名なフリーソフトで、ハードディスクやSSDの健康状態を「正常」「注意」「異常」の3段階で分かりやすく表示してくれます。詳細な情報(温度、読み書き回数、エラーレートなど)も確認できるため、ストレージに問題がないか確認するのに非常に役立ちます。 - Windowsのチェックディスク:
Windowsに標準搭載されている「チェックディスク」(chkdsk
)コマンドも、ストレージの論理的なエラーをチェックして修復することができます。
チェックディスクの使い方
スタートメニューを右クリックし、「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択して起動します。 chkdsk C: /f /r
と入力してEnterキーを押します。 次回起動時にチェックを実行するか聞かれるので、「Y」と入力してPCを再起動します。 PC起動時にストレージのスキャンと修復が自動的に行われます。
もし、これらのツールで異常が見つかったり、何度もエラーが繰り返される場合は、ストレージの交換を検討する必要があるかもしれません。ストレージが故障すると、PC自体が起動しなくなる可能性もありますので、早めに専門家への相談や、バックアップの作成を強くお勧めします。
アップデート失敗が続く時に試す7つの具体的な対処法
これまでの章で、Windows 10のアップデートが失敗する主な原因を解説しました。原因が分かれば、次は具体的な対処法を試してみる番です。ここでは、PC初心者の方でも一つずつ試せる7つの対処法をまとめました。
上から順番に試していくことで、ほとんどのアップデート失敗は解決できるはずです。諦めずに、一つずつ丁寧に試していきましょう。
【以下で分かること】
- アップデート失敗を解決するための具体的な手順
- PCのトラブルを自分で解決する方法
- 専門家に頼る前にできること
- Windowsの標準機能を使ったPCのメンテナンス方法
空き容量を20GB以上にしてから再試行する
アップデートが失敗する最も一般的な原因の一つが、ストレージの空き容量不足です。Windows 10の大型アップデートには、最低でも10GB、安定してインストールするには20GB以上の空き容量が必要です。
Cドライブの空き容量が足りないと感じたら、まずは不要なファイルを削除したり、他のドライブに移動させたりして、容量を確保しましょう。
方法 | 内容 | 備考 |
ディスククリーンアップ | Windows標準の機能で、一時ファイルやゴミ箱の中身、以前のアップデートファイルなどをまとめて削除できます。 | スタートメニューで「ディスククリーンアップ」と検索して実行することで、手軽に容量を確保できます。 |
不要なアプリのアンインストール | 長期間使っていないアプリケーションを、コントロールパネルや設定から削除することで、まとまった容量を確保できます。 | 「設定」→「アプリ」から、容量の大きいアプリや、使っていないアプリを探してアンインストールしましょう。 |
大型ファイルの移動 | 動画や写真、ゲームデータなど、容量の大きいファイルを外付けHDD、USBメモリ、またはクラウドストレージに移動させます。 | 特にPC内の「ダウンロード」や「ビデオ」「ピクチャ」フォルダを定期的に確認し、整理することが重要です。 |
ダウンロードフォルダの整理 | インターネットからダウンロードしたファイルが、意図せず溜まっていることがあります。 | ダウンロードフォルダの中身を定期的にチェックし、不要なものは削除して整理しましょう。 |
ゴミ箱を空にする | ファイルを削除しただけでは、ゴミ箱に残って容量を圧迫していることがあります。 | ゴミ箱のアイコンを右クリックして「ゴミ箱を空にする」を選択することで、完全にファイルを削除し、容量を解放できます |
これらの方法を組み合わせることで、かなりの空き容量を確保できることがあります。特に、ディスククリーンアップは非常に効果的です。
クリーンアップを実行する際に、「システムファイルのクリーンアップ」を選択すると、より多くの不要なファイル(以前のWindowsインストールなど)を削除でき、数GBの空き容量が生まれることがあります。空き容量を十分に確保したら、PCを再起動し、再度Windows Updateを試してみてください。
一時的にウイルス対策ソフトをオフにして実行する
ウイルス対策ソフトがアップデートプロセスを誤ってブロックしている可能性があります。この場合、アップデートを実行する間だけ、一時的にウイルス対策ソフトを無効にすることで問題が解決することがあります。ただし、この操作はセキュリティ上のリスクを伴うため、細心の注意が必要です。
ウイルス対策ソフトを一時的に無効にする手順
- ネットワーク接続を切る
アップデートに必要なファイルはすでにダウンロード済みであることを確認し、PCをインターネットから切断します。無線LANの場合はWi-Fiを切断し、有線LANの場合はケーブルを抜きます。 - ウイルス対策ソフトを無効化
お使いのウイルス対策ソフトの設定画面を開き、「リアルタイム保護」や「ファイアウォール」を一時的にオフにします。無効化する期間を設定できる場合は、1時間など短い期間に設定しておきましょう。 - アップデートの再実行
PCを再起動し、Windows Updateを再試行します。 - 元に戻す
アップデートが完了したら、すぐにネットワークに接続し、無効にしたウイルス対策ソフトの機能を元に戻します。
重要な注意点
この方法は、あくまで一時的なものです。アップデートが完了したらすぐにセキュリティを元に戻すことを忘れないでください。 インターネット接続を切断しないままウイルス対策ソフトを無効にすると、PCがウイルス感染などのリスクにさらされることになります。
Windows Defenderなど、OS標準のセキュリティ機能を使っている場合でも、一時的に無効化できるか試してみる価値はあります。 各ウイルス対策ソフトの無効化方法は、公式サイトやヘルプページで確認してください。
例えば、有名なウイルス対策ソフトであるAvastやKasperskyなどは、タスクトレイのアイコンを右クリックして、一時停止のオプションが用意されていることが多いです。
(参照元:Avast Support Center)
ドライバーをすべて最新バージョンに更新しておく
古いドライバーが原因で、アップデートが失敗することがあります。特に、グラフィックカードやチップセット、ネットワークアダプターなどの主要なドライバーは、最新のものに更新しておくことが重要です。
主要なドライバーの更新方法
- PCメーカーの公式サイトを確認する
多くのPCメーカーは、自社のPC向けに最適化された最新のドライバーを公式サイトで提供しています。まずは、お使いのPCのメーカー(例:富士通、NEC、Lenovoなど)のサポートページから、お使いのPCモデル用の最新ドライバーを探してダウンロードし、インストールします。 - デバイスマネージャーを使用する
- スタートボタンを右クリックし、「デバイスマネージャー」を選択します。
ディスプレイアダプター
、サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー
、ネットワークアダプター
などの項目を開きます。- 各デバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択します。
- 「ドライバーを自動的に検索」を選択すると、Windowsが最新のドライバーを探してくれます。
ドライバー更新のメリット
ドライバーを最新に保つことは、アップデートの失敗を防ぐだけでなく、PCのパフォーマンス向上や、セキュリティの脆弱性を解消する上でも非常に重要です。特にグラフィックドライバーは、ゲームや動画編集のパフォーマンスに直結します。
また、複数の周辺機器(プリンター、スキャナー、外部カメラなど)を接続している場合は、それらのドライバーも最新版に更新することをお勧めします。周辺機器メーカーの公式サイトで、最新ドライバーが公開されていないか確認してみましょう。
ドライバー更新の注意点
ドライバーを更新する際には、必ずお使いのPCのモデルやOSのバージョンに合ったものを選んでください。間違ったドライバーをインストールすると、PCの動作が不安定になることがあります。不安な場合は、PCメーカーの公式サイトから提供されているツールを利用するのが最も安全です。
「トラブルシューティングツール」を使って自動修復
Windows 10には、PCのさまざまな問題を自動的に診断・修復してくれる便利な「トラブルシューティングツール」が搭載されています。アップデートの失敗に関しても、このツールを使うことで簡単に問題を解決できる可能性があります。
Windows Updateトラブルシューティングツールの使い方
- 設定画面を開く
スタートボタンをクリックし、歯車のアイコン(設定)をクリックします。 - 更新とセキュリティへ移動
「更新とセキュリティ」をクリックします。 - トラブルシューティング
左側のメニューから「トラブルシューティング」を選択します。 - その他のトラブルシューティング
「その他のトラブルシューティングツール」をクリックします。 - Windows Updateの実行
リストの中から「Windows Update」を見つけ、「トラブルシューティングツールの実行」をクリックします。
ツールを実行すると、Windowsが自動的に問題のスキャンを開始します。検出された問題に応じて、修復方法を提案してくれるので、画面の指示に従って操作を進めてください。
このツールは、一時ファイルの破損や、サービスが停止しているなど、比較的軽微な問題を解決するのに非常に有効です。複雑な問題には対応できないこともありますが、まず最初に試すべき対処法の一つと言えるでしょう。
このツールの効果 このツールは、以下のような問題の検出と修復を試みます。
- Windows Updateサービスが停止している
- アップデート関連の一時ファイルが破損している
- レジストリキーの設定が間違っている
- ネットワーク設定に問題がある もし、このツールで問題が解決しなかった場合でも、「問題が見つかりませんでした」と表示されることで、原因が別のところにあると判断する材料になります。
セーフモードでアップデートを試してみる
PCにインストールされている一部のアプリケーションやドライバーが、アップデートプロセスと競合してエラーを引き起こしている場合があります。このような競合を避けるために、「セーフモード」でアップデートを試すという方法があります。
セーフモードは、Windowsを必要最低限のドライバーとサービスだけで起動する特殊なモードです。このモードでアップデートを行うことで、サードパーティ製のソフトウェアによる干渉を排除することができます。
セーフモードでアップデートを行う手順
- セーフモードで起動:
- スタートボタンをクリックし、「電源」→
Shift
キーを押しながら「再起動」をクリックします。 - 再起動後、「オプションの選択」画面が表示されたら、「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択します。
- 再起動後、「スタートアップ設定」画面で「4」または「F4」キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択します。
- スタートボタンをクリックし、「電源」→
- アップデートを実行
セーフモードでPCが起動したら、「設定」→「更新とセキュリティ」から、再度Windows Updateを試みます。 - 通常モードに戻す
アップデートが完了したら、PCを通常通り再起動します。
セーフモードでの注意点
セーフモードでは、インターネット接続ができない場合があります。このため、アップデートに必要なファイルは、事前にダウンロードしておく必要があります。 もし、セーフモードでもアップデートが失敗する場合は、システムファイルやハードウェア自体に深刻な問題がある可能性が高いです。
その場合は、次の対処法に進むか、専門家への相談を検討しましょう。 この方法は、あくまで一時的な回避策です。競合している原因となるソフトウェアを特定して対処しない限り、根本的な解決にはなりません。
セーフモードでアップデートに成功したら、通常モードに戻した後、最近インストールしたソフトやドライバーを疑ってみるのが良いでしょう。
「Windows Update」の履歴をリセットする
Windows Updateの履歴が蓄積し、何らかの理由で破損している場合、アップデートが正常に実行されなくなることがあります。この場合、Windows Updateのコンポーネントをリセットすることで、問題を解決できる可能性があります。
この方法は、これまで紹介した方法で解決しなかった場合に試してみる価値があります。
Windows Updateコンポーネントをリセットする手順
- 管理者権限でコマンドプロンプトを起動:
- スタートボタンを右クリックし、「コマンドプロンプト(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を選択します。
- 関連サービスを停止: 以下のコマンドを1行ずつ入力し、Enterキーを押します。
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
- フォルダ名を変更: 以下のコマンドを1行ずつ入力し、Enterキーを押します。
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
- この操作により、アップデート関連の一時ファイルが保存されているフォルダの名前が変更され、Windows Updateが再開されたときに新しいフォルダが作成されます。
- 関連サービスを再開: 以下のコマンドを1行ずつ入力し、Enterキーを押します。
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
- PCを再起動: PCを再起動し、再度Windows Updateを試します。
この方法の効果と注意点
この方法は、一時ファイルや設定ファイルの破損による問題を解決するのに非常に有効です。過去のアップデート履歴は消去されますが、PCのデータや設定には影響ありません。 コマンドの入力に慣れていない場合は、慎重に行ってください。
もし、コマンドを間違えると、システムに予期せぬ影響を与える可能性があります。 マイクロソフトの公式サイトでは、これらの手順を自動で実行してくれるトラブルシューティングツールも提供されています。コマンド操作が不安な方は、そちらを利用するのも一つの手です。
(参照元:Microsoft Support)
回復ドライブまたはインストールメディアで修復起動する
これまでの対処法をすべて試してもアップデートが失敗する場合、システムの根幹に問題がある可能性があります。この場合、Windowsのシステムファイルを最初から修復する方法が有効です。そのために「回復ドライブ」または「インストールメディア」を使用します。
回復ドライブは、PCのシステム情報を保存したUSBメモリで、PCに何かあったときにシステムを復旧させるために使用します。インストールメディアは、WindowsをインストールするためのDVDやUSBメモリです。
回復ドライブまたはインストールメディアの準備
- 回復ドライブの作成:
- Windowsのスタートメニューで「回復ドライブ」と検索し、ツールを起動します。
- 画面の指示に従い、8GB以上のUSBメモリを接続して作成します。このUSBメモリは、作成時にすべてのデータが消去されるので注意してください。
- インストールメディアの作成:
- Microsoftの公式サイトから「Media Creation Tool」をダウンロードし、実行します。
- 画面の指示に従い、別のPCでWindows 10のインストールメディア(USBメモリまたはDVD)を作成します。
修復起動の手順
- 作成した回復ドライブまたはインストールメディアをPCに接続し、PCを再起動します。
- BIOS/UEFIの設定画面で、起動順序をUSBメモリまたはDVDドライブが最優先になるように変更します。
- メディアから起動すると、Windowsのインストール画面が表示されます。「コンピューターを修復する」を選択します。
- 「オプションの選択」→「トラブルシューティング」→「スタートアップ修復」を選択します。
- Windowsが自動的にシステムの問題を診断し、修復を試みます。
この方法は、システムファイルの破損やブートローダーの問題など、深刻な問題を解決するのに非常に強力です。ただし、操作を誤るとデータが消える可能性もあるため、事前に重要なデータのバックアップを取っておくことを強くお勧めします。この方法でも解決しない場合は、OSのクリーンインストールや、ハードウェアの故障を疑うべきでしょう。
【まとめ】
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。Windows 10のアップデート失敗は、多くの方が経験するPCトラブルの一つです。
しかし、原因と対処法を理解すれば、ほとんどの場合は自分で解決できます。アップデートの失敗を放置すると、セキュリティ上のリスクが高まるだけでなく、PCの動作が不安定になるなど、様々な問題を引き起こします。本記事で紹介した対処法を、ぜひ一つずつ試してみてください。
・空き容量を確保する
アップデートには20GB以上の空き容量が推奨されます。ディスククリーンアップや不要なファイルの削除で容量を確保しましょう。
・ウイルス対策ソフトを一時的に無効にする
ウイルス対策ソフトがアップデートを誤ってブロックしている可能性があります。インターネット接続を切断した上で、一時的に無効化して試してみましょう。
・ドライバーを最新に更新する
古いドライバーが競合して失敗することがあります。特に、グラフィックやネットワーク関連のドライバーは最新に保ちましょう。
・トラブルシューティングツールを活用する
Windowsに標準搭載されたツールが、軽微な問題を自動で診断・修復してくれます。まずはこのツールを試してみるのが手軽です。
・セーフモードでアップデートを試す
他のソフトとの競合が疑われる場合、必要最低限の機能で起動するセーフモードでアップデートを試すのも有効な手段です。
・Windows Update履歴をリセットする
アップデート関連の一時ファイルが破損している場合、コマンドプロンプトからコンポーネントをリセットすることで解決できる場合があります。
・システムファイルをチェックする
SFCコマンドやDISMコマンドを使って、システムファイル自体の破損がないかチェックし、修復を試みましょう。
・ハードウェアの故障も疑う
ストレージの故障がアップデート失敗の原因となることもあります。CrystalDiskInfoなどのツールで健康状態をチェックしましょう。
・回復ドライブやインストールメディアで修復する
自己修復が困難な深刻な問題は、回復ドライブやインストールメディアから修復起動することで解決できる場合があります。
・データのバックアップを習慣にする
どんなトラブルにも備えるため、日頃から重要なデータは外付けHDDやクラウドにバックアップを取っておくことが最も重要です。