起動が遅い Windows11は故障じゃない?すぐできる速度改善チェックリスト5選

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「Windows11にアップグレードしてから、パソコンの起動がやけに遅くなった…」「もしかして故障かな?」と不安に感じていませんか?起動が遅いと、仕事や趣味でPCを使うたびにストレスが溜まりますよね。でも安心してください。

その症状、実は故障ではなく、ちょっとした設定変更やメンテナンスで驚くほど改善できることがほとんどです。本記事では、Windows11の起動が遅くなる主な原因から、誰でもすぐに実践できる具体的な改善策まで、PCのプロライターである私が徹底解説します。


【この記事で分かること】

  • Windows11の起動が遅くなる原因の特定方法
  • パソコンが故障ではないと判断できるチェック項目
  • 今すぐ実践できる具体的な速度改善テクニック
  • 起動速度を維持するための日頃のメンテナンス方法




起動が遅いWindows11の原因は?まずは「よくある理由」を知ろう

Windows11の起動が遅くなる現象は、PCのスペックが低い場合だけでなく、様々な要因が複合的に絡み合って発生することがよくあります。その原因を正しく理解することが、効果的な対策を講じるための第一歩です。

ここでは、PCユーザーが陥りやすい「よくある理由」をいくつかご紹介します。これを読んで、ご自身のPCに当てはまる項目がないかチェックしてみてください。


不要なスタートアップアプリが常駐している

PCを起動すると、デスクトップ画面が表示される前に、自動的に立ち上がるアプリがいくつかありますよね。これを「スタートアップアプリ」と呼びます。 これらのアプリは、PCを使い始める際に便利ですが、その数が増えすぎると、PCの起動処理に大きな負担をかけてしまいます。

特に、普段ほとんど使わないアプリや、複数のコミュニケーションツール、クラウド同期サービスなどが大量に登録されていると、起動時にこれらのアプリが同時に読み込まれるため、PCのメモリやCPUといったリソースが消費され、結果として起動時間が大幅に伸びてしまいます。

これは例えるなら、出かける準備をする際、玄関の靴箱から家族全員の靴を一度にすべて出すようなものです。 必要な靴だけを出せばスムーズに準備が進むのに、不要な靴まで一緒に広げてしまうと、場所を取り、時間がかかってしまいますよね。

スタートアップアプリもこれと同じで、本当に必要なものだけに絞り込むことで、PCの起動をスムーズにすることができます。 Microsoft社の公式サポートページでも、このスタートアップアプリの整理が推奨されています。

(参照元:Microsoft サポート

バックグラウンドアプリがリソースを圧迫

PCの画面上には見えていなくても、裏側で動作しているアプリのことを「バックグラウンドアプリ」と呼びます。 これらのアプリは、通知の受信やデータ同期、システムの更新チェックなど、様々なタスクを自動的に実行しています。

便利に感じるかもしれませんが、常時多くのアプリがバックグラウンドで動作していると、PCのCPUやメモリに継続的な負荷がかかり続けます。 特に、メールソフトやSNSアプリ、あるいは各種ユーティリティソフトなどは、常に最新の情報に更新しようとするため、知らず知らずのうちにPCのパフォーマンスを低下させている可能性があります。

起動が遅くなるのは、PCが起動する段階で、これらのバックグラウンドアプリが次々とタスクを開始し、リソースの奪い合いが起きていることが原因の一つです。 複数のアプリが同時に動作を始めると、PCはそれぞれのタスクを効率よく処理しようとしますが、処理能力を超えた負荷がかかると、全体の動作が遅くなってしまいます。

スマホのアプリを大量に開いたままだとバッテリーの消費が早くなるのと同様に、PCでもバックグラウンドで動作するアプリの数を最小限に抑えることが、起動速度の改善に繋がります。 PCのタスクマネージャーを開いて、どのアプリが多くのリソースを消費しているか定期的にチェックすることをお勧めします。

Windows Updateの影響で一時的に重くなる

Windows Updateは、PCのセキュリティを最新の状態に保ち、不具合を修正するために非常に重要な機能です。 しかし、大規模なアップデートが実行される際には、システムのコア部分が大きく変更されるため、一時的にPCの動作が重くなることがあります。

アップデートの準備や、更新ファイルのインストール、設定の適用など、一連の処理がバックグラウンドで進行するため、その間はPCの起動や動作が遅く感じられることがあります。 特に、機能アップデートのような大きな更新の場合は、再起動後にOSの構成ファイルを再構築する作業が行われるため、通常よりも起動に時間がかかることがよくあります。

これは、PCが古いOSの構成を新しいバージョンに完全に置き換えるために、内部で複雑な処理を行っているためです。 アップデート直後の数日間は、バックグラウンドで残りの設定や最適化処理が進められていることが多いため、一時的な速度低下は珍しいことではありません。 この現象は故障ではないため、焦らずにしばらく様子を見ることが大切です。

ほとんどの場合、数日経てばPCの動作は安定し、元の速度に戻ります。 万が一、長期間にわたって速度が改善しない場合は、アップデートが正常に完了していない可能性も考えられます。 その際は、Windows Updateのトラブルシューティングツールを試してみるのが良いでしょう。

(参照元:Microsoft Windows Updateトラブルシューティング

ストレージ容量が逼迫している

PCのストレージ(HDDやSSD)がデータで満杯に近くなると、PCの動作全体が遅くなることがあります。 これは、OSが一時的なデータを保存したり、アプリケーションをスムーズに動作させるために必要な「仮想メモリ」の領域を確保できなくなるためです。

仮想メモリとは、物理メモリ(RAM)が不足した際に、ストレージの一部をメモリのように利用する仕組みのことです。 ストレージの空き容量が少なくなると、この仮想メモリの領域も十分に確保できず、結果としてPCの処理能力が低下してしまいます。

起動時においても、OSやスタートアップアプリの読み込みに時間がかかってしまいます。 特に、SSDではなく、機械的にディスクを回転させてデータを読み書きするHDDを使用している場合は、この影響が顕著に現れます。

また、ブラウザのキャッシュファイルや、ダウンロードした一時ファイル、不要なアプリのインストールデータなどがストレージを圧迫しているケースも多いです。 定期的にPCのストレージ容量を確認し、不要なファイルやアプリケーションを削除して、十分な空き容量を確保することが重要です。

ストレージの種類特徴起動速度への影響
SSD(Solid State Drive)電子的にデータを読み書き高速で、OSやアプリの起動が速い。空き容量の影響を受けにくい。
HDD(Hard Disk Drive)磁気ディスクにデータを読み書き読み書き速度が遅く、起動に時間がかかる。空き容量が少ないとさらに遅くなる。

このように、ストレージの種類によっても起動速度は大きく異なります。もしHDDを使用している場合は、SSDへの換装を検討するのも一つの有効な手段です。

セキュリティソフトが起動時に重くなる

ウイルスやマルウェアからPCを守ってくれるセキュリティソフトは、今やPCを使う上で欠かせない存在です。 しかし、そのセキュリティソフト自体が、PCの起動を遅くする原因になることがあります。

多くのセキュリティソフトは、PCが起動するのと同時に、システムの安全性を確保するためにバックグラウンドで様々なチェックを開始します。 これにより、PCの起動プロセスと同時に、セキュリティソフトによるスキャンや常駐プログラムの読み込みが行われるため、PC全体のリソースが消費され、結果として起動が遅くなります。

特に、無料のセキュリティソフトや、複数のセキュリティソフトをインストールしている場合、この現象が顕著に現れることがあります。 セキュリティソフトの中には、起動時にシステムファイルやレジストリ、スタートアップ項目などを詳細にスキャンするものもあり、これが起動時間の増加に繋がります。

また、最新のウイルス定義ファイルへの更新も起動時に行われることがあり、これも一時的な負荷の原因となります。 信頼性の高いセキュリティソフトを選び、設定を見直すことで、セキュリティを確保しつつPCのパフォーマンスを維持することが可能です。

古いドライバやBIOSがボトルネックになっている

PCのハードウェア(グラフィックカード、サウンドカード、チップセットなど)を適切に動作させるためには、「ドライバ」と呼ばれるソフトウェアが必要です。 このドライバが古いままだと、最新のOSであるWindows11の機能や性能を十分に引き出すことができず、PC全体の動作が不安定になったり、パフォーマンスが低下したりすることがあります。

同様に、「BIOS(UEFI)」というPCの基本的な入出力システムを管理するファームウェアも、バージョンが古いと最新のハードウェアやOSとの間で互換性の問題を引き起こし、起動時のエラーや遅延に繋がることがあります。

例えば、最新のグラフィックカードを古いドライバで動かしている場合、本来の性能が出ないだけでなく、起動時にグラフィックの初期化処理に時間がかかり、結果としてPCの起動が遅くなることがあります。

また、Windows11では新しいセキュリティ機能や省電力機能が追加されており、これらを正しく利用するためには、ドライバやBIOSがWindows11に最適化されている必要があります。 マザーボードやPCメーカーの公式サイトで、常に最新のドライバやBIOSが提供されていないか確認し、定期的に更新することが、PCのパフォーマンスを維持する上で非常に重要です。

影響を受けるハードウェアドライバやBIOS更新のメリット
CPU/チップセットWindows11との互換性向上、パフォーマンス改善
グラフィックカード起動速度の改善、描画性能の向上
ストレージコントローラーデータ読み書き速度の安定、高速化
マザーボード(BIOS/UEFI)新機能の追加、セキュリティの向上、起動の安定化

ドライバの更新は、メーカーのウェブサイトから行うのが最も安全です。

実は故障ではない「よくある勘違い例」

PCの起動が遅いと感じたとき、「もう寿命かな…」「どこか故障したのかな?」と不安になりますよね。 しかし、その症状、実は故障ではないことがほとんどです。 ここでは、多くのユーザーが故障と勘違いしやすい「よくある勘違い例」をいくつかご紹介します。

勘違い例1
「PCの電源ボタンを押して、メーカーロゴが表示されるまでの時間が長い」 この現象は、多くの場合、スタートアップアプリの読み込みや、ストレージのデータ整理、Windows Updateの準備などがバックグラウンドで行われていることが原因です。 PC本体の物理的な故障ではありません。 これらの処理が完了すれば、起動は元の速さに戻ります。

勘違い例2
「デスクトップ画面が表示されても、すぐにアイコンが表示されず、マウスカーソルがグルグル回っている」 これは、デスクトップ画面の描画処理よりも、スタートアップアプリの読み込みや、バックグラウンドでのデータ同期が優先されているために起こります。
故障ではなく、単なる「処理待ち」の状態です。 特に、大量のアプリをスタートアップに登録している場合や、クラウド同期サービスが多数動作している場合にこの現象が顕著に現れます。

勘違い例3
「PCを再起動すると、起動が速いのに、シャットダウンしてから起動すると遅い」 これは、Windows11の「高速スタートアップ」機能が原因です。 この機能は、シャットダウン時にシステムの情報を一時ファイルに保存し、次回起動時にその情報を読み込むことで起動を高速化するものです。
しかし、この一時ファイルに不具合があったり、特定のドライバとの相性が悪いと、かえって起動が遅くなることがあります。 再起動の場合はこの一時ファイルを使用しないため、起動が速く感じられるのです。 これは故障ではなく、機能的な問題です。 この場合は、高速スタートアップ機能を無効にしてみると改善する可能性があります。

これらの勘違い例に当てはまる場合、まずは本記事で紹介する改善策を試してみてください。 ほとんどの場合、問題は解決します。


今すぐできる!Windows11の起動速度を改善する具体策

ここからは、実際にPCの起動を高速化するために、あなたが今すぐできる具体的な対策を解説します。 いずれも特別な知識は必要なく、誰でも簡単に実践できるものばかりです。 一つずつ試して、ご自身のPCのパフォーマンスを改善していきましょう。


【以下で分かること】

  • スタートアップアプリの整理手順
  • バックグラウンドアプリの制限方法
  • ストレージの空き容量を確保する具体的なテクニック
  • 高速スタートアップ機能の効果と見直し方

スタートアップアプリの整理方法

不要なスタートアップアプリを無効にすることは、PCの起動速度を改善する上で最も効果的な方法の一つです。 ここでは、Windows11でスタートアップアプリを管理する手順を解説します。

手順1:タスクマネージャーを開く
まずは「タスクマネージャー」を開きます。キーボードの**「Ctrl」+「Shift」+「Esc」**を同時に押すか、タスクバーを右クリックして「タスクマネージャー」を選択します。

手順2:「スタートアップアプリ」タブを開く
タスクマネージャーが開いたら、画面左側のメニューから「スタートアップアプリ」のアイコン(コンセントのようなマーク)を選択します。 ここでは、PC起動時に自動で立ち上がるアプリの一覧が表示されます。

手順3:不要なアプリを無効にする
一覧の中から、起動時に必要ないアプリを見つけ、右クリックして「無効にする」を選択します。 例えば、普段あまり使わないアプリや、ゲームのランチャー、クラウド同期サービスなどが挙げられます。
特に「スタートアップへの影響」の項目が「高」となっているアプリは、PCの起動に大きな影響を与えている可能性が高いので、優先的に無効にすると良いでしょう。

アプリの種類無効にしても良い例無効にしない方が良い例
コミュニケーションDiscord, Teams, Slackなど(必要な時だけ手動起動)セキュリティソフト、PC管理ツール(メーカー製)
クラウド同期Google Drive, Dropbox, OneDriveなど(必要に応じて)PCの基本機能(Microsoft Edge Updateなど)
ゲームランチャーSteam, Epic Games Launcherなど
ユーティリティ圧縮ソフト、PDFソフトなど

この作業は、PCの起動を劇的に速くする効果が期待できます。 どのアプリを無効にすべきか迷った場合は、インターネットでアプリ名を検索して、その機能を確認してから判断しましょう。 また、無効にしたアプリは、いつでも手動で起動できるので安心してください。

バックグラウンドアプリを制限する設定手順

Windows11では、バックグラウンドで動作するアプリを個別に設定して制限することができます。 これにより、PCのリソースを節約し、起動時だけでなくPC全体のパフォーマンスを向上させることが可能です。

手順1:設定画面を開く
キーボードの**「Windowsキー」+「I」**を同時に押して、「設定」画面を開きます。

手順2:「アプリ」メニューへ進む
設定画面の左側メニューから「アプリ」を選択し、「インストールされているアプリ」をクリックします。

手順3:バックグラウンドで動作するアプリを制限する
アプリの一覧が表示されたら、右上の検索ボックスに**「バックグラウンドアプリ」と入力します。 または、制限したいアプリの名前を検索し、そのアプリの右側にある「…」ボタンをクリックし、「詳細オプション」を選択します。
画面を下へスクロールすると、「バックグラウンドアプリのアクセス許可」という項目が表示されます。 ここで、「このアプリをバックグラウンドで実行できるようにする」のプルダウンメニューをクリックし、「最適化された電力設定(推奨)」または「なし」**に設定します。

この設定を適用することで、アプリがバックグラウンドで不必要な動作を行うのを防ぎ、起動時の負荷を軽減することができます。 特に、通知が不要なアプリや、リアルタイムの同期が不要なアプリに対して有効です。

ストレージの空き容量を確保する3つの方法

PCのストレージ容量が少ない場合は、以下の3つの方法で空き容量を確保し、PCのパフォーマンスを改善しましょう。

1. ディスククリーンアップを実行する
Windowsには、不要な一時ファイルやシステムファイルを自動的に削除してくれる「ディスククリーンアップ」機能が標準で搭載されています。 タスクバーの検索窓に**「ディスククリーンアップ」と入力して実行し、削除したいファイルにチェックを入れて「OK」をクリックするだけで簡単に不要ファイルを削除できます。
特に、「一時ファイル」や「ダウンロード」フォルダ**の不要なデータは、この機能でまとめて削除できることが多いです。

2. 不要なアプリをアンインストールする
長期間使っていないアプリや、いつの間にかインストールされていたアプリは、思い切ってアンインストールしましょう。 設定画面の**「アプリ」>「インストールされているアプリ」**から、不要なアプリを選択してアンインストールできます。
どのアプリをアンインストールして良いか分からない場合は、アプリの使用頻度やサイズを確認して判断すると良いでしょう。

3. 大容量ファイルを外部ストレージに移動する
写真や動画、大容量のゲームデータなど、すぐにアクセスする必要がないファイルは、外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージに移動することで、PC本体のストレージを大幅に解放できます。 ファイルを移動する際は、バックアップを取っておくと安心です。
これにより、OSや頻繁に使うアプリがスムーズに動作するのに十分なスペースが確保できます。

方法手軽さ効果おすすめな人
ディスククリーンアップ★★★★★☆まず手軽に試したい人
アプリのアンインストール★★☆★★★多くのアプリをインストールしている人
ファイルの外部移動★★☆★★★大容量のファイルが多い人

Windowsの高速スタートアップ機能を見直す

Windows11の「高速スタートアップ」機能は、PCの起動を速くするために有効ですが、特定の環境下では逆に起動を遅くしたり、不具合の原因になったりすることがあります。 もし、シャットダウン後の起動が再起動よりも遅いと感じる場合は、この機能を見直してみましょう。

高速スタートアップを無効にする手順

手順1:コントロールパネルを開く
タスクバーの検索窓に**「コントロールパネル」**と入力して開きます。

手順2:「電源オプション」へ進む
コントロールパネルの表示方法を「大きいアイコン」または「小さいアイコン」に切り替え、「電源オプション」を選択します。

手順3:「高速スタートアップ」を無効にする
画面左側の「電源ボタンの動作を選択する」をクリックします。 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックし、「シャットダウン設定」の項目にある「高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外します。 最後に「変更の保存」をクリックして完了です。

補足
高速スタートアップを無効にすることで、PCの起動時間はわずかに長くなる可能性がありますが、PCの動作がより安定し、起動時のトラブルが解消されることがあります。 特に、周辺機器の認識に問題がある場合や、システムの再起動がうまく行かない場合にも効果的です。

(参照元:Microsoft サポート

BIOS・ドライバーの更新でパフォーマンス向上

PCの安定性とパフォーマンスを最大限に引き出すためには、ドライバとBIOS(UEFI)を常に最新の状態に保つことが非常に重要です。

ドライバの更新方法
ドライバは、PCを構成する各ハードウェア(グラフィックカード、サウンドカード、ネットワークアダプタなど)を制御するソフトウェアです。 最新のドライバは、通常、PCメーカーや各ハードウェアメーカーの公式サイトからダウンロードできます。
メーカーによっては、ドライバの自動更新ツールを提供している場合もあるので、そちらを利用すると便利です。 グラフィックドライバなどは、ゲームのパフォーマンスにも直結するため、定期的に最新版をチェックすることをお勧めします。

BIOS(UEFI)の更新方法
BIOS(UEFI)は、PCの起動やハードウェアの制御を行う最も基本的なプログラムです。 BIOSの更新は、PCの起動安定性や最新OSへの対応、セキュリティ向上のために重要ですが、手順を間違えるとPCが起動しなくなるリスクもあります。
必ずPCメーカーの公式サイトに記載されている手順をよく読み、慎重に行ってください。 通常、BIOS更新プログラムをダウンロードし、USBメモリなどに入れてPCを再起動し、特定のキー(F2やDeleteキーなど)を押してBIOS画面に入り、更新を実行します。

更新対象更新頻度目的
ドライバ2〜3ヶ月に1回(必要に応じて)パフォーマンス向上、不具合修正、新機能対応
BIOS(UEFI)半年に1回程度(必要に応じて)起動の安定化、セキュリティ向上、OSとの互換性確保

これらの更新は、PCの「健康診断」のようなものです。 少し面倒に感じるかもしれませんが、定期的に行うことで、PCを長く快適に使うことができます。

ウイルス対策ソフトの設定を見直して軽量化

セキュリティソフトはPCの安全を守る上で欠かせませんが、設定次第ではPCの起動や動作に大きな影響を与えることがあります。 以下のポイントを見直すことで、セキュリティを維持しつつ、PCのパフォーマンスを改善することが可能です。

1. 複数ソフトの併用をやめる
複数のセキュリティソフトを同時にインストールすると、お互いのソフトが競合し、PCの動作が極端に遅くなるだけでなく、システムエラーを引き起こす可能性があります。 PCにインストールするセキュリティソフトは、信頼できるものを一つだけに絞りましょう。
Windows11には、標準で**「Windows Defender」**が搭載されており、基本的なセキュリティ機能は十分備わっています。

2. 起動時のスキャン設定を見直す
多くのセキュリティソフトには、PC起動時にフルスキャンを行う設定がありますが、これが起動を遅くする主な原因の一つです。 設定画面から**「起動時のスキャン」を無効にする**か、スキャンのタイミングをずらす設定に変更することで、起動時の負荷を軽減できます。
スキャンは、PCを使っていない時間帯(例えば、昼休みや夜間など)に自動で実行されるように設定すると良いでしょう。

3. 軽量なセキュリティソフトへの切り替えを検討する
もし、今使っているセキュリティソフトがPCのリソースを過剰に消費していると感じるなら、より軽量なソフトへの切り替えを検討してみるのも一つの手です。 ESET Smart SecurityAvast Free Antivirusなど、比較的軽量で動作が速いと評判のソフトもあります。
ただし、切り替えの際は、元のソフトを完全にアンインストールしてから新しいソフトをインストールするようにしてください。

システムの初期化を検討するタイミングと注意点【まとめ】

ここまで紹介した方法を試してもPCの起動が改善しない場合や、PC全体の動作が不安定な状態が続く場合は、**「システムの初期化(リセット)」**を検討するタイミングかもしれません。 システムの初期化は、PCを工場出荷時の状態に戻すことで、蓄積された不要なデータや設定の不具合を解消し、PCを新品同様の状態に近づけることができます。

初期化を検討すべきタイミング

  • 上記の改善策をすべて試しても効果がなかった場合
  • 深刻なウイルス感染が疑われる場合
  • OSやドライバの不具合が頻発する場合
  • PCの動作が全体的に遅く、原因が特定できない場合

初期化する際の注意点

  • データのバックアップは必須!
    初期化すると、PC内のすべてのデータが消去されます。写真、動画、ドキュメントなど、必要なデータは必ず外部ストレージやクラウドサービスにバックアップしてください。
  • 再インストールが必要なアプリのリストアップ
    初期化後は、インストールしていたアプリをすべて再インストールする必要があります。事前に必要なアプリのリストを作成しておきましょう。
  • アカウント情報の確認
    各種サービスやソフトウェアのライセンスキー、パスワードなどをメモしておきましょう。

システムの初期化は最後の手段です。 「システムのリフレッシュ」といった機能を使えば、ユーザーデータを残したままシステムだけをリセットできるオプションもありますので、まずはそちらから試してみるのも良いでしょう。


【まとめ】

システム初期化の検討タイミングと注意点

  • 初期化は最後の手段と心得る
    様々な対策を講じても改善しない場合に検討する。
  • データの完全バックアップを忘れずに
    PC内の全データが消去されるため、外付けHDDなどに必ず保存しておく。
  • 再インストールが必要なアプリをリストアップ
    初期化後にスムーズにPC環境を再構築できるよう、必要なアプリを事前に確認する。
  • ライセンスキーやアカウント情報を準備
    各種ソフトウェアの再認証やログインに備え、必要な情報をメモしておく。
  • 「個人用ファイルを保持する」オプションも検討
    データは残しつつシステムだけをリセットできる機能も活用する。
  • 初期化はPCが故障しているわけではない
    あくまでソフトウェア的な不具合を解消するための手段と理解する。
  • メーカーサポートも活用する
    初期化に不安がある場合は、PCメーカーのサポート窓口に相談するのも一つの手。
  • 初期化でPCは蘇る 長年の使用で溜まったゴミや不具合が解消され、PCの動作が劇的に改善する可能性がある。
  • まずは軽い対策から試す
    スタートアップやストレージの整理など、初期化の前にできることを全て試す。
  • PCの状態を定期的にチェックする習慣をつける
    日頃からPCのメンテナンスをすることで、速度低下を防ぐことができる。

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