長年PC業界に身を置き、数多くのトラブルシューティング現場に立ち会ってきましたが、仮想マシンが突然起動しなくなるトラブルほど、ユーザーを焦らせ、精神的に消耗させるものはありません。昨日は何の問題もなく快適に動いていた開発環境や、苦労して構築したテスト環境が、朝一番に電源を入れた途端に無機質なエラーコードを吐いて沈黙してしまう。この絶望感は、経験した人にしか分からないものでしょう。多くのユーザーは、この現象を「仮想マシンソフトのバグ」や「Windowsの不具合」といったソフトウェアの問題として片付けがちです。
しかし、長年の経験から断言できるのは、この突然の不調は、実はSSDの寿命が近づいているサインであったり、BIOS設定が予期せずリセットされたことによるハードウェアレベルの不整合であったりと、より深刻な物理的要因が隠れているケースが非常に多いということです。これを単なるソフトのエラーだと軽視して放置したり、場当たり的な対処を繰り返したりしていると、最悪の場合、仮想マシンだけでなくホストPCのデータまで巻き込んで消失してしまうリスクさえあります。
エラーメッセージが表示されると、誰しもがパニックになり、再インストールや設定の初期化といった大掛かりな作業を急いでしまいがちです。しかし、まずは深呼吸をして、足元のハードウェア設定やリソース状況を冷静に見直すことが、結果として最も確実で、かつ最短の復旧ルートになります。この記事では、プロのライターとしての視点と技術的な知見を融合させ、「なぜ起動しないのか」という根本的な問いを論理的に紐解き、初心者の方でも実践できる具体的な解決策をステップバイステップで徹底解説していきます。
【この記事で分かること】
- 起動トラブルの主なハードウェア要因と特定手順
- BIOS/UEFIの仮想化設定(VT-x/AMD-V)の確認・修正方法
- SSD容量不足や断片化によるシステム障害リスクと対策
- 主要ソフト(Hyper-V/VMware/VirtualBox)別の対処法
仮想マシンが起動できないエラーの原因と最初に確認すべきポイント
仮想マシンが起動しないという事態に直面した時、私たちの思考はつい「インストールしたソフトが壊れたのではないか」という方向に偏りがちです。しかし、仮想マシンというのは、あくまでホストPCという物理的な土台の上で動いているシミュレーションに過ぎません。実際には、その土台であるホストPCの状態やリソース配分に問題があるケースが、トラブル全体の半数以上を占めているのが現実です。
まずは落ち着いて、エラーの根本原因がどこにあるのかを切り分ける作業が必要です。「物理的なリソース(メモリやストレージ)が不足しているのか」、「BIOSやOSの設定に不整合が生じているのか」、あるいは「仮想ディスクファイルそのものが破損しているのか」。これらを冷静に分析することで、無駄な作業を避けられます。やみくもに設定画面をいじり回すのは、迷路の入り口で地図を捨てるようなものです。
エラー発生の直前に何をしたかを思い出してください。Windowsの大型アップデートがあったか、新しいセキュリティソフトを入れたか、あるいは単に長時間PCを起動しっぱなしにしていたか。些細な変化がトリガーになっていることが多々あります。以下のポイントを順に確認していくことで、複雑に絡み合った糸をほぐすように、原因を特定することができるはずです。焦りは禁物です。一つずつ変数を潰していきましょう。
仮想マシン 起動できない エラーの代表的な原因とは?
仮想マシンが起動しない原因は多岐にわたりますが、大きく分けると「リソース不足」「設定ミス」「ファイル破損」「権限問題」の4つのカテゴリーに分類できます。これらは単独で発生することもあれば、複合的に絡み合って発生することもあります。特に近年増えているのが、ホストOS(主にWindows 10や11)の頻繁なアップデートによる環境変化が引き金となるケースです。
例えば、バックグラウンドで静かに動作しているセキュリティソフトが、仮想マシンの挙動を「不審なプログラム」と誤検知してプロセスを強力にブロックしていたり、ブラウザや他のアプリケーションがメモリを大量に占有しすぎていて、仮想マシンを立ち上げるための余力が残っていなかったりすることもあります。エラーコードが表示される場合は、それをメモしておくことが重要ですが、画面がブラックアウトしたまま何も表示されない「無言のクラッシュ」の場合は、Windowsのイベントビューアーなどのシステムログを確認し、水面下で何が起きているかを探る必要があります。
以下の表は、一般的な起動エラーの症状と、その背後にある主な原因、そして真っ先に疑うべきポイントをまとめたものです。
| エラーの症状 | 主な原因 | 優先確認事項 |
|---|---|---|
| 起動ボタンを押しても反応がない、一瞬砂時計が出るが消える | 関連サービスの停止、実行権限の不足 | ホストOSの管理者権限で実行しているか、Hyper-V等のサービスが「実行中」か確認 |
| エラーコードが出て即座に終了する、ブルースクリーンになる | BIOS設定の不備、物理メモリの枯渇 | BIOSでのVT-x/AMD-V有効化確認、タスクマネージャーでのメモリ空き容量確認 |
| 読み込み中のバーが進まない、黒い画面のままフリーズする | ディスクI/Oのボトルネック、仮想ディスクの論理破損 | SSDのアクセスランプの点灯状況、chkdskコマンドによるファイルシステム診断 |
| 「ファイルが見つかりません」「アクセスが拒否されました」 | 構成ファイルの移動・削除、外付けドライブの接続不良 | 仮想ディスクのパス設定確認、外付けHDD/SSDのUSB接続状況とドライブ文字の確認 |
参照元:Microsoft Learn(仮想マシンのトラブルシューティング)
SSD容量不足が原因で仮想マシンが正常に起動しない理由
近年のPCは高速なSSDが標準となっていますが、このSSDの特性が仮想マシンの起動トラブルに直結していることはあまり知られていません。SSDは構造上、容量が一杯に近づくとパフォーマンスが劇的に低下し、最悪の場合、データの書き込みができなくなる「リードオンリーモード」に近い状態に陥ることがあります。仮想マシンは起動時に、メモリの内容を一時的に保存するスワップファイルや、動作ログなどの一時ファイルを大量に作成します。そのため、エクスプローラー上で数GBの空きがあるように見えても、起動プロセスで必要な瞬間的な「作業領域」が確保できずに、起動処理がコケてしまうのです。
特に注意が必要なのが、「可変容量(Thin Provisioning)」という設定で仮想ディスクを作成している場合です。これは、最初は小さなファイルサイズで始まり、ゲストOS内でデータを書き込むたびに物理ファイルサイズが自動的に膨張していく仕組みです。非常に便利な機能ですが、これがホストOSのSSD空き容量を圧迫し続け、限界に達すると、仮想マシンは警告なしに強制停止したり、次回の起動自体がロックされたりします。これは、風船を膨らませすぎて箱の中に収まらなくなり、箱自体が壊れてしまうようなものです。
スナップショットの罠 バックアップとして非常に便利な機能に「スナップショット」がありますが、これはトラブルの温床でもあります。スナップショットは、その時点の状態を保存する代わりに、以降の変更分を別のファイルとして記録していく「差分データ」の塊です。スナップショットを無計画に取りすぎると、ログファイルのように差分データが積み上がり、気づかないうちにSSDを数十GB単位で消費してしまいます。これが「見えない容量圧迫」の正体です。
参照元:Western Digital(SSDの仕組みと空き容量の重要性)
BIOSの仮想化設定(VT-x/AMD-V)が無効だと起動できない問題
仮想マシンをスムーズに動かすための心臓部とも言える機能が、CPUにハードウェアレベルで搭載されている「仮想化支援機能(Intel VT-x や AMD-V)」です。これがBIOS(またはUEFI)の設定画面で「Disabled(無効)」になっていると、どんなにハイスペックなCPUを積んでいても、64ビットの最新OSをゲストとして起動することはできません。ソフトウェアがハードウェアの命令セットを使おうとして拒否されるためです。
「以前はずっと動いていたのだから、BIOS設定なんて関係ないはずだ」と思い込むのは非常に危険です。PCのマザーボードには設定を保持するためのボタン電池が入っていますが、これが消耗すると設定が工場出荷時にリセットされることがあります。また、BIOSのファームウェアアップデートを行った際や、静電気による一時的な誤動作で、セキュリティ上の理由や初期設定により「無効」に戻ってしまうことが意外と頻繁に起こります。まさに「灯台下暗し」のトラブル原因です。
CPU仮想化支援機能(メイン)
OS上で仮想マシンやエミュレーター(Docker, WSL2, BlueStacksなど)を動かすために必須となる機能です。
| メーカー | 機能名称 | BIOS/UEFIでの表記例 |
| Intel | VT-x (Intel Virtualization Technology) | ・Intel Virtualization Tech ・Vanderpool Technology ・VMX ・Virtualization Extensions |
| AMD | AMD-V | ・SVM Mode ・Secure Virtual Machine ・AMD-V ・SVM Support |
| VIA | VIA VT | ・VIA Virtualization ・CPU Virtualization |
補足:I/O仮想化支援機能(パススルー等)
上記の基本機能に加え、ハードウェア(GPUやLANカードなど)を仮想マシンに直接認識させる「パススルー」などを行う場合、以下の設定も有効にする必要があります。
| メーカー | 機能名称 | BIOS/UEFIでの表記例 |
| Intel | VT-d (Virtualization Tech for Directed I/O) | ・VT-d ・Intel VT-d |
| AMD | AMD-Vi (IOMMU) | ・IOMMU ・IOMMU Controller ・IVRS |
設定を探す際のヒント
BIOS/UEFIのメニュー構成はマザーボードメーカーによって異なりますが、以下の項目の配下に配置されていることが多いです。
- Intel系:
Advanced>CPU Configuration - AMD系:
Advanced>CPU ConfigurationまたはOverclocking>Advanced CPU Settings - 共通:
SecurityやSystem Agent (SA) Configurationにある場合もあります。
参照元:Intel(インテル® バーチャライゼーション・テクノロジー)
Hyper-V・VMware・VirtualBoxで発生しやすい設定ミス
仮想化ソフトウェアには、それぞれ開発思想が異なり、独自の「相性」や「排他利用」の原則が存在します。特にWindows 10/11に標準搭載されているマイクロソフトの「Hyper-V」は、OSのカーネルに近い部分で動作するため、有効になっていると他のサードパーティ製仮想化ソフト(VMware WorkstationやVirtualBoxの古いバージョン)とCPUの仮想化機能を奪い合い、結果として起動を妨げることがあります。
これを一般的に「競合」と呼びます。最近のバージョン(例えばVMware Workstation 16以降など)では、Hyper-V APIを利用して共存が可能になってきてはいますが、設定次第では依然としてパフォーマンスが極端に落ちたり、「亀のマーク」が出て動作が重くなったり、謎のエラーで起動しなかったりする原因の筆頭です。それぞれのソフト特有の落とし穴を知っておく必要があります。
ソフト別のよくあるミス
- Hyper-V
仮想スイッチの設定ミスにより、起動時にネットワークアダプターが見つからずエラーになるケースが多いです。特にWi-Fiと有線を切り替えた後に発生しやすいです。 - VMware
設定オプションにある「サイドチャネルの緩和」が有効になっていると、セキュリティは向上しますが、古いCPUでは劇的なパフォーマンス低下や起動不能を引き起こすことがあります。 - VirtualBox
本体と同時にインストールすべき「拡張パック(Extension Pack)」のバージョンが本体と一致していない場合、USBコントローラーなどのドライバエラーで起動しないことがあります。
参照元:Broadcom(VMware Workstation Pro ドキュメント)
メモリ割り当て不足で仮想マシンが起動できないケース
仮想マシンに割り当てるメモリ量は、多ければ多いほど快適になると思われがちですが、実はバランスが命です。ホストOS(親)自身がWindowsを動かし、セキュリティソフトを動かし、ブラウザを開くために必要なメモリを残さずに、ゲストOS(子)に限界ギリギリまで割り当ててしまうと、システム全体がメモリ不足に陥り共倒れになります。これを専門用語で「メモリスタベーション(飢餓状態)」と呼びます。
逆に、割り当てが少なすぎると、ゲストOSが起動シーケンスを完了する前にメモリ不足でフリーズしたり、タイムアウトしたりします。また、Hyper-Vなどで採用されている「動的メモリ(Dynamic Memory)」設定は、必要に応じてメモリを増減させる便利な機能ですが、起動時の初期要求量がホストのその瞬間の空き容量を超えていると、エラーメッセージも出ずに静かに起動失敗することがあります。メモリは「固定」で割り当てるのがトラブルシューティングの基本です。
推奨されるメモリ配分
ホストOS用として、快適な動作のために最低でも4GB、できれば8GBは「聖域」として確保し、残りのリソースを仮想マシンに配分するのが鉄則です。例えば16GBのPCなら、仮想マシンには最大でも8GB〜10GB程度に留めるのが安全圏です。
参照元:Oracle(VirtualBox ユーザーマニュアル)
Windowsアップデートが原因で起動エラーが発生することも
IT管理者の間では「第2火曜日の悲劇(Patch Tuesday)」とも呼ばれることがありますが、Windows Updateが適用された直後に、今まで動いていた仮想マシンが突然おかしくなる現象は、業界では避けて通れない「あるある話」です。更新によってシステムドライバが新しいものに置き換わったり、セキュリティポリシー(コア分離やメモリ整合性など)が強化・変更されたりすることで、仮想化ソフトの挙動が制限されるためです。
特に春や秋に行われる大型アップデート(Feature Update)の後は、内部的な構成が大きく変わるため、ネットワークアダプターの設定が初期化されてしまったり、仮想スイッチのブリッジ設定が外れてしまったりすることがあります。その結果、仮想マシンがネットワークを見失って起動プロセスでタイムアウトし、フリーズしたように見えるのです。
更新後のチェックリスト
- 使用している仮想化ソフト自体のアップデートがリリースされていないか確認する。OSの更新に合わせてソフト側も修正パッチを出していることが多いです。
- Windowsの「Windowsの機能の有効化または無効化」設定を開き、「Hyper-V」や「仮想マシンプラットフォーム」の状態が変わっていないか確認する。
- セキュリティソフトが、更新後のシステムスキャンで仮想ディスクファイルを「巨大な未確認ファイル」として誤検知し、ロックしていないか確認する。
参照元:Microsoft コミュニティ(Windows Update後のトラブルシューティング)
エラー発生直後にやってはいけない危険な操作
エラー画面が出た時に最も危険なのは、パニックになって冷静さを失い、「手当たり次第にファイルを消す」ことや、「電源ボタン長押しで強制終了を繰り返す」ことです。仮想ディスク(.vmdkや.vhdx)は、内部にファイルシステムを持つデータベースのような複雑な構造をしています。データの書き込み途中で強制終了すると、ファイル構造の整合性が取れなくなり、論理的に破損して二度と開けなくなる(マウントできなくなる)リスクが非常に高いのです。
また、「構成ファイルを作り直せばいい」と安易に考えて、仮想マシンの定義ファイルや付随するファイルを削除してしまうと、スナップショットの親子関係(チェーン情報)が失われ、最新のデータにアクセスできなくなることもあります。スナップショットは「親」がいなければ存在できないのです。
絶対NGな行動リスト
- 仮想ディスクファイル(.vmdk, .vhdiなど)をメモ帳などのテキストエディタで直接開いて保存する。バイナリデータが壊れます。
- フォルダ内に残っている「ロックファイル(.lck)」を、仮想化ソフトがバックグラウンドで起動中に手動で無理やり削除する。
- 仮想ディスクをマウントせずに、ホスト側からチェックディスク(chkdsk)をバックアップなしで実行する。修復によってデータが切り捨てられる可能性があります。
起動できない仮想マシンを復旧する方法とBIOS・SSD設定のチェック

原因のあたりがついたら、いよいよ具体的な復旧作業に入ります。ここでは、比較的リスクが低く、かつ効果が高い方法から順に紹介していきます。いきなり設定ファイルを書き換えるのではなく、ハードウェアの設定見直しから始め、徐々にソフトウェア的な修正へと進むことで、データの喪失リスクを最小限に抑えることができます。
作業を行う前には、どんなに面倒でも、可能であれば仮想ディスクファイルだけでも外付けHDDやNASなどにコピーして、バックアップを取ることを強く推奨します。復旧作業自体がトドメを刺してしまうこともあるからです。「転ばぬ先の杖」こそが、プロの現場での鉄則であり、あなたの貴重なデータを守る最後の砦です。
【以下で分かること】
- SSD容量確保と仮想ディスク肥大化の解消手順
- メーカー別BIOS設定画面へのアクセスとVT-x有効化
- ホストとゲストの最適なメモリ配分計算
- 破損した構成ファイルの安全な再作成・復旧方法
SSDの空き容量と断片化を確認して仮想マシンを復旧する方法
まず最初に行うべき基本かつ重要な対策は、ホストマシンのSSD容量確保です。エクスプローラーを開き、Cドライブ(または仮想マシンが保存されているドライブ)のバーが赤色になっていないか確認してください。一般的に、SSDはウェアレベリング(書き込み分散)などの内部処理を行うために、総容量の20%程度の空き領域がないと性能が維持できず、寿命も縮まります。
不要なファイルを削除する際は、Windows標準の「ディスククリーンアップ」ツールを使うのが安全です。「システムファイルのクリーンアップ」を含めて実行し、古いWindows Updateの残骸などを一掃しましょう。さらに、仮想化ソフト側で「ディスクの圧縮(Compact)」や「クリーンアップ」機能を実行することで、可変ディスク内の「削除されたデータがあった場所」を解放し、物理的なファイルサイズを小さくすることができます。
SSDにデフラグは必要?
従来のHDDと異なり、SSDへの過度なデフラグは書き込み回数を増やして寿命を縮めるだけですが、仮想ディスクファイル自体が激しく断片化していると読み込みエラーの原因になります。Windowsの「ドライブの最適化」ツールで「最適化(Trimコマンドの発行)」を実行し、SSDコントローラーに空きブロックを通知することで、書き込み速度と動作が改善する場合が多々あります。
BIOSのVT-x/AMD-Vを有効化する具体的な手順
BIOS(UEFI)画面に入るには、PCの電源を入れた直後、メーカーロゴが表示されているわずかな間に特定のファンクションキーを連打する必要があります。最近のSSD搭載PCは起動が速すぎるため、タイミングが非常にシビアです。一度Windowsを起動し、「再起動」を選択した直後からキーを連打し始めるのがコツです。
BIOS画面に入ったら、マウスではなくキーボードの矢印キーで操作することが多いです。「Advanced(詳細)」や「CPU Configuration(CPU設定)」、「Security(セキュリティ)」といったタブを探します。そこに「Intel Virtualization Technology」や「SVM Mode」という項目があるはずです。これを「Disabled」から「Enabled(有効)」に変更し、最後は必ず「Save & Exit(保存して終了)」を選んでください。保存せずに終了すると設定は反映されません。
メーカー別BIOS起動キー目安 | メーカー | 一般的な起動キー | 代替キー | | :— | :— | :— | | Dell | F2 | F12 | | HP | F10 | Esc | | Lenovo | F1, F2 | Enter (ThinkPadの場合) | | ASUS | F2, Del (Delete) | – | | 自作系 (MSI, Gigabyte等) | Del (Delete) | F2 |
仮想マシンのメモリ設定を見直してエラーを解消する
メモリ不足で落ちている疑いがある場合、一度割り当てメモリを減らして起動できるか試してみるのが有効な切り分け方法です。例えば、今まで8GB割り当てていたなら、半分の4GBに落としてみます。これであっさり起動するなら、ホスト側のメモリ不足が原因だったことが確定します。
また、Hyper-Vなどの「動的メモリ」機能は便利ですが、起動時のメモリ確保に失敗してトラブルの元にもなりやすいです。トラブルシューティング中は「静的割り当て(固定)」に切り替えることを強くお勧めします。これにより、起動時に必要なメモリが確実に予約・確保されるため、メモリ関連の不安定要素を排除できます。起動してから必要に応じて動的メモリに戻せば良いのです。
メモリ設定のコツ
32ビットの古いOS(Windows XPなど)をゲストにする場合、4GB以上割り当ててもOSの仕様上認識されない(PAE無効時)ため、メモリの無駄遣いになります。ゲストOSのビット数(32bit/64bit)とシステム要件に合わせた適切な値を設定しましょう。
仮想マシンソフト別(Hyper-V/VMware/VirtualBox)に最適な対処法
ソフトウェアごとに特有の「ツボ」や「癖」があります。ここを押さえるだけで、難解なエラーがあっさり直ることも少なくありません。
Hyper-Vの場合
「Hyper-Vマネージャー」から該当のVMを右クリックし、「設定」を確認します。「チェックポイント」の「自動チェックポイントを使用する」が有効になっていると、起動時にディスクアクセスが増えてエラーの原因になることがあります。一時的に無効化してみましょう。また、仮想スイッチの設定が破損している場合は、ネットワークアダプターの設定で「接続していません」を選んで起動を試すか、「既定のスイッチ」に変更してみてください。
VMware Workstation / Playerの場合
仮想マシンが保存されているフォルダを開き、.lck または .lock という拡張子のついたフォルダやファイルが残っていないか確認してください。これは前回終了時のロックファイルですが、強制終了などでこれが残ったままだと「他のプロセスが使用中」と判定されて起動しません。これを削除して再試行します。
Oracle VirtualBoxの場合
設定の「システム」→「アクセラレーション」タブにある「準仮想化インターフェース」の設定を見直します。通常は「デフォルト」ですが、これを「KVM」や「Hyper-V」から「None(なし)」に変えてみることで、古いOSとの互換性の問題が解消することがあります。
参照元:VirtualBox フォーラム、VMware ナレッジベース
起動用ファイルが壊れた時の復元・再構築のやり方
設定ファイル(.vmx や .xmlなど)自体が、テキストエディタでの編集ミスや保存時の不具合で記述ミスを起こしたり破損したりしている場合、仮想マシン一覧から一度そのマシンを「削除(登録解除)」し、再度「新規作成」ウィザードを実行するという手があります。
ここでの最大のポイントは、**「仮想ハードディスクを新規作成しない」**ことです。ウィザードの途中で「既存の仮想ハードディスクを使用する」を選択し、今まで使っていたディスクファイル(.vmdk や .vhdx)を指定します。これにより、OSや大切なデータが入った中身(脳と記憶)はそのままで、ガワである設定(肉体)だけを新品に交換することができます。これで起動すれば、以前の設定ファイルの破損が原因だったと特定できます。
復元の注意点
スナップショットを多用していた場合、ベースとなるオリジナルのディスクファイルではなく、最新の更新日時を持つスナップショットファイルを指定する必要があるケースもあります。ファイル構造をよく確認し、タイムスタンプが一番新しいディスクファイルを選ぶのがコツです。
Windowsと仮想マシンの相性問題を改善する設定チェック
Windows 10/11に搭載されている高度なセキュリティ機能「コア分離(メモリ整合性)」は、ウイルスからPCを守る非常に強固な盾ですが、同時に仮想化ドライバと競合してエラーを引き起こす常連トラブルメーカーでもあります。
「Windowsセキュリティ」を開き、「デバイスセキュリティ」→「コア分離の詳細」と進みます。ここで「メモリ整合性」がオンになっている場合、これを一時的にオフにしてPCを再起動し、その後仮想マシンが動くか試してください。もしこれで動くなら、使用している仮想化ソフトのバージョンが古く、このセキュリティ機能に対応していない可能性が高いです。ソフトを最新版にアップデートするか、運用ポリシーを見直す必要があります。
また、「Windowsの機能の有効化または無効化」で「Windows ハイパーバイザー プラットフォーム」にチェックを入れる(または外す)ことで、仮想化APIの動作モードが切り替わり、挙動が改善することもあります。
参照元:Microsoft サポート(デバイス保護機能について)
仮想マシン 起動できない エラーを防ぐメンテナンス【まとめ】
仮想マシンのトラブルはある日突然やってきますが、日頃のメンテナンスを少し意識するだけで、そのリスクを大幅に減らすことができます。PCというハードウェアの健康状態と、仮想化ソフトウェアの設定バランスを保つことが、安定運用の最大の鍵です。最後に、トラブルを未然に防ぐための重要なポイントを10個にまとめました。
メンテナンスのポイント
- ホストの空き容量監視
SSDの容量は常に20%以上の余裕を持たせ、定期的に不要な一時ファイルを削除して呼吸できるスペースを確保する。 - スナップショットの整理
スナップショットはバックアップではなく「復元ポイント」。あくまで一時的な分岐点とし、不要になったらこまめに統合・削除してディスクの肥大化を防ぐ。 - BIOS設定の定期確認
PCの電池交換やマザーボード修理後、BIOSアップデート後は、必ずVT-x/AMD-Vの設定が有効に戻っているか再確認する。 - メモリの余裕を持つ
ホストOSとゲストOSのメモリ配分を厳密に計算し、ホスト側を枯渇させないよう、ギリギリの運用を避ける。 - 正規の手順でシャットダウン
仮想マシンのウィンドウを「×」で閉じるなどの強制終了は避け、必ずゲストOS内のスタートメニューから「シャットダウン」を選択する。 - バックアップの徹底
仮想ディスクファイル単体だけでなく、仮想化ソフトの「エクスポート」機能を使って、設定込みで定期的に外付けHDDへ全体バックアップを取る。 - 更新のタイミングを計る
ホストOSの大型アップデート直後は不具合が起きやすいため、業務で重要な作業がある前日はアップデートを避けるか、延期設定を行う。 - ログの確認習慣
エラーが起きたらなんとなく再起動して済ませず、イベントログや仮想化ソフトのログファイルを見る癖をつけ、予兆を察知する。 - ホストマシンの排熱対策
仮想化処理はCPU負荷が高く発熱しやすい。熱暴走による不安定化を防ぐため、PC内部のホコリ掃除や冷却ファンの動作確認を行う。 - 最新情報のキャッチアップ
使用している仮想化ソフトの公式フォーラムやリリースノートを定期的にチェックし、既知の不具合やWindowsとの互換性情報を知っておく。
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