Epic Games Launcherのダウンロードが遅い原因5選|最速で解決する設定とは?

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皆さん、こんにちは。PC業界の「語り部」として、今回は皆さんのデジタルライフ、特にゲームの快適さに直結するお悩みにお答えします。楽しみにしていたゲームのダウンロードが遅々として進まない、あのイライラは私もよく理解できます。しかし、ご安心ください。その原因は、決して皆さんのPCのせいだけではありません。通信の仕組みや設定のわずかな見直しで、ダウンロード速度は劇的に改善します。

プロの視点から、Epic Games Launcher(エピックゲームズランチャー)のダウンロードが遅くなる根本的な理由を「サーバー」「ネットワーク」「PC環境」の三つの観点から深く掘り下げ、誰もが簡単に、そして最速で問題を解決できる具体的な設定手順と対処法を、シンプルかつ明瞭な文章で徹底解説していきます。デジタル時代における通信のボトルネックを理解し、皆さんのゲーム環境を最適化する知識をここで身につけましょう。

この記事を読み終える頃には、なぜダウンロードが遅かったのかという疑問が解消され、今後のアップデートや新作ゲームのダウンロードもストレスフリーで行えるようになるでしょう。


【この記事で分かること】

  • Epic Games Launcherのダウンロード速度を低下させる五つの主要な原因
  • 自宅のインターネット環境がダウンロード速度に与える具体的な影響と解決策
  • Epic Games Launcher内部の設定を調整して帯域を最大限に引き出す方法
  • セキュリティ設定やWindowsのバックグラウンド処理を見直すことで得られる速度改善効果




Epic Games Launcherのダウンロードが遅い主な原因と仕組みを理解しよう

ゲームのダウンロード速度は、単に「回線速度が速いか遅いか」という単純な問題ではありません。Epic Gamesのサーバーから巨大なデータパッケージが、何層ものネットワークを経由し、皆さんのPC内部のストレージに書き込まれるまでの複雑な一連の流れの中で、どこか一箇所でも滞りが発生すると、全体の処理速度がその最も遅い部分に引きずられて低下します。

この章では、自動車の生産ラインでいうところの「ボトルネック」がどこに潜んでいるのかを明確にするため、Epic Games Launcherのダウンロード速度が遅くなる主要な原因を五つに分類し、それぞれの仕組みと皆さんのPC環境でどのような現象として現れるのかを詳しく解説していきます。原因を正しく理解することこそが、最速の解決策を見つけるための鍵となります。

Epic Games Launcherの通信速度が遅くなる5つの原因とは?

Epic Games Launcherが本来の実力を発揮できず、通信速度が低下してしまう現象は、複数の要因が複雑に絡み合って発生しています。これらを大別して理解することで、皆さんの環境特有の問題点を見つけ出しやすくなります。私たちは通信という目に見えない現象を扱っていますが、自動車のエンジンやサスペンションと同じく、構成要素一つひとつの状態がパフォーマンス全体を決定づけています。

ダウンロード速度を左右する主要な五つの原因を、発生源に応じて「外部要因」「中間要因」「内部要因」に分類し、その影響度とともに以下の表にまとめました。この分類を参照することで、ご自身が最初にチェックすべき項目を絞り込むことができます。

原因分類主な原因(ボトルネックの場所)発生する状況と主な影響
外部要因サーバー側の混雑新作リリース時や無料配布時など、ユーザーが集中する時間帯に、提供側のデータ転送能力が上限に達し、速度が抑えられる。
中間要因インターネット回線環境Wi-Fi電波の弱さ、古いLANケーブル、ルーターの性能不足など、自宅のネットワーク環境が物理的に速度を制限している。
中間要因セキュリティソフト/ファイアウォールPCのセキュリティ機能が通信データをリアルタイムで監視・フィルタリングすることで、処理に時間がかかり速度が低下する。
内部要因PCのバックグラウンド通信Windowsの更新やクラウド同期など、他のアプリが通信帯域を消費し、Launcherに割り当てられる帯域が圧迫される。
内部要因ストレージ残量/性能不足高速な回線でデータが届いても、HDD/SSDへの書き込み速度が遅い、または空き容量が少なく書き込みが非効率になる。

これらの原因は一つだけでなく、例えば「サーバーが混雑している上に、自宅のWi-Fiも不安定」といったように、複数の問題が同時に発生していることが少なくありません。自動車の整備と同じく、まずは最も疑わしい箇所から順に、論理的な手順を踏んで点検・対処していくことが、トラブル解決の鉄則です。この一覧を頭に入れ、ご自身の環境でどの問題が最も可能性が高いかを推測しながら、次の詳細な解説を読み進めてください。

サーバーの混雑がダウンロード遅延を引き起こすケース

Epic Games Launcherを利用するユーザーのダウンロード速度が遅くなる原因の中で、最もユーザー側で直接的な対処が難しいのが、まさにこのサーバー側の混雑です。ダウンロード速度とは、皆さんのPCがデータを受け取る速度であると同時に、Epic Gamesのサーバーが皆さんのPCに向けてデータを送り出す速度でもあります。この送出側のキャパシティが、一時的に限界を超えることで、すべてのユーザーに対して速度制限がかけられることになります。

この現象が発生する典型的なタイミングは、人気タイトルのメジャーアップデートや、大規模な無料ゲーム配布キャンペーンの開始直後です。世界中の数百万、数千万というユーザーが、時差を超えて一斉に「今すぐダウンロードしたい」という要求をサーバーに集中させるため、たとえEpic Gamesが強固なCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)と呼ばれる分散サーバーシステムを構築していても、瞬間的な需要には対応しきれない状況が生まれます。

サーバー側からすると、一部のユーザーに最大速度を提供して他のユーザーを長時間待たせるよりも、すべてのユーザーに公平に、しかし少し抑えめの速度でデータを送り続ける方が、サービス全体の公平性と安定性を維持できるという判断になります。これは、高速道路の料金所が一斉に開くのではなく、流入量を調整することで全体の流れを維持しようとする仕組みに似ています。

このようなサーバー起因の遅延が疑われる場合、皆さんが取るべき最善の策は「待つこと」または「時間帯をずらすこと」です。具体的には、アクセスが集中する傾向にある**週末の夜間(日本時間で午後8時頃から翌午前1時頃)**を避け、平日の午前中や深夜など、比較的利用者が少ない時間帯にダウンロードを再試行することです。

また、ダウンロードを一旦停止し、数時間後に再開することで、異なるCDNサーバーに接続し直され、結果的に速度が改善するケースも稀にあります。サーバー混雑は一時的なものであり、時間が解決してくれることが多いため、ご自身のネットワーク環境のチェックやPCの最適化をこの待機時間中に進めておくのが賢明な時間の使い方と言えるでしょう。

Wi-Fiや有線LANなどネット環境が影響する理由

Epic Games Launcherのダウンロード速度のボトルネックは、サーバー側よりもむしろ、皆さんのご自宅からインターネットの出入口であるルーターまでの「自宅内ネットワーク」に潜んでいることが非常に多くあります。通信速度は、PCが利用可能な最大値ではなく、経路上の最も遅い地点の速度によって決まるという原則を忘れてはいけません。

Wi-Fi接続を利用している場合、通信の不安定さが最も大きな原因となります。Wi-Fiの電波は壁や天井、さらには電子レンジやコードレス電話といった他の電磁波を発する機器によって容易に干渉を受けます。特に、2.4GHz帯域のWi-Fiは広い範囲で使われているため、近隣の住宅のWi-Fiルーターとの電波干渉も日常的に発生しています。

電波の強度や品質が低下すると、データを送受信する際にエラーが発生し、PCが同じデータを何度も再送しなければならなくなるため、実質的なダウンロード速度が大幅に落ちてしまいます。また、家族が同時に動画ストリーミングやオンラインゲームなどで回線帯域を大量に使用していると、回線が「渋滞」し、Launcherに割り当てられる帯域が極端に狭くなります。

一方、有線LAN接続は安定していると思われがちですが、ここにも規格の壁があります。ご自宅の光回線が例えば1Gbpsや10Gbpsの契約であっても、PCとルーターを繋ぐLANケーブルが古い規格(例えばCat5eなど)の場合、ケーブル自体の物理的な上限速度が1Gbpsに制限されてしまい、回線が持つポテンシャルを活かしきれません。

また、LANケーブルの曲げすぎや踏みつけによる内部断線、ルーターのLANポートの劣化なども、通信エラーや速度低下の隠れた要因となります。ネットワーク環境の問題は、目に見えないだけに特定が難しいものですが、PCからルーター、そして外部回線へと順序立てて点検することで必ず原因を見つけ出すことができます。特にケーブルは安価に交換できるため、まずは最新のCat6A以上のものに交換してみることを強くお勧めします。

接続方式速度低下の主要因と影響解決策(この後の章で詳細解説)
Wi-Fi(無線)電波干渉、ルーターとの距離、壁などの障害物による信号減衰、他デバイスとの帯域競合5GHz帯への切り替え、ルーターとPCを近づける、QoS機能の利用
有線LANLANケーブルの規格(Cat5eなど)の古さ、ルーターやPCのLANポートの速度制限(100Mbpsなど)Cat6A以上へのケーブル交換、ルーター/PCのLANポート規格確認

参照元:電気通信事業者協会(TCA)高速インターネット通信における家庭内ネットワーク環境の注意点

セキュリティソフトやファイアウォール設定が速度を制限している場合

ダウンロード速度の遅延原因として、特に高性能なPCを使用しているユーザーが見落としがちなのが、PCを外部の脅威から守るために導入しているセキュリティソフトやWindows標準のファイアウォールの設定です。これらのセキュリティ機能は、PCの安全を保つ上で不可欠な存在ですが、その厳格なチェック機構が、Epic Games Launcherのような「大容量のデータ通信」を処理する際に、意図せずボトルネックを生み出すことがあります。

セキュリティソフトは、ネットワーク経由でPCに流れ込んでくるすべてのデータ(パケット)をリアルタイムで監視・スキャンし、悪意のあるプログラムや通信が含まれていないかをチェックします。ゲームのダウンロードファイルは数GBから数十GBと非常に巨大なため、このリアルタイムスキャン処理が、CPUリソースやディスクI/O(データの読み書き)を大量に消費します。通信速度が速ければ速いほど、セキュリティソフトが処理しなければならないデータ量も増加するため、このスキャン処理が追いつかなくなり、結果としてダウンロードの実効速度が低下してしまうのです。

また、ファイアウォールは、許可されたアプリケーション以外のネットワーク通信を原則としてブロックする役割を担っています。ファイアウォールの設定が過度に厳格になっている場合、Epic Games Launcherが利用する特定の通信ポートやプロトコルが制限されたり、通信が遅延するようにフィルタリングされたりすることがあります。これは、PCから見れば「安全を確保するための行動」ですが、ダウンロード速度という観点からは「制限」となってしまいます。

セキュリティ機能速度制限の具体的なメカニズム発生する遅延のタイプ
リアルタイムウイルススキャンダウンロードファイルを逐次チェックする際のCPU・ディスクI/O負荷ダウンロード中の速度が持続的に低下する
ファイアウォールのフィルタリングLauncherの通信ポートやプロトコルに対する制限、または通信の監視によるオーバーヘッドダウンロード開始の遅延、速度の不安定化
ネットワーク保護機能一部のソフトが提供するVPNやDPI(Deep Packet Inspection)機能による通信の迂回・詳細検査経路の増加による遅延(レイテンシ)の増加と速度低下

この問題への対処は、セキュリティと利便性のバランスが求められますが、Epic Games Launcherのように広く信頼されているアプリケーションに対しては、一時的または恒久的に**「例外設定」**を適用し、通信の監視を緩和するのが最も効果的です。信頼できるアプリケーションの通信を制限なく行うことで、セキュリティ上のリスクを最小限に抑えつつ、ダウンロード速度の最大化を図ることが可能です。例外設定の具体的な手順については、後の章で詳しく解説します。

Windowsのバックグラウンド通信が影響することもある?

Epic Games Launcherによるゲームのダウンロードは、インターネット回線の帯域を最も必要とする活動の一つですが、皆さんが意識していないだけで、WindowsのOS自体や他のインストールされたアプリケーションも、常にネットワーク通信をバックグラウンドで実行しています。これらの通信は、回線という一本の「パイプ」をLauncherと奪い合う競合相手となるため、大容量ダウンロード時には見過ごせない速度低下の原因となります。

最も帯域を消費するバックグラウンド通信の代表例が、Windows Updateです。セキュリティやOSの機能改善のために、Windowsは定期的に巨大な更新プログラムをダウンロードします。特に、Windows 10や11に搭載されている「配信の最適化」という機能が有効になっていると、皆さんのPCがダウンロードした更新ファイルを、近隣のPCやインターネット上の他のPCにアップロード(共有)する仕組みが働き、ダウンロードだけでなくアップロード側でも帯域が消費されてしまいます。

次に、クラウドストレージサービスの同期も強力な競合相手です。OneDrive、Google Drive、Dropboxといったサービスは、PC内の特定のフォルダの変更をリアルタイムで検知し、クラウドとの間でファイルのアップロードやダウンロードを自動的に行います。もし、ダウンロード中にたまたま写真や動画などの大容量ファイルをクラウドフォルダに移動したり、逆にクラウドからPCへ同期が行われたりすると、その同期通信が一気に帯域を占有し、Launcherの速度が急落します。

バックグラウンド通信の種類速度低下への影響と通信方向最速化のための対策方針
Windows Update(配信の最適化含む)大容量のダウンロード・アップロード(特に後者が帯域を圧迫)更新プログラムの手動管理、配信の最適化の無効化
クラウド同期サービス大容量ファイルのアップロード・ダウンロードサービスの「一時停止」機能を利用し、ダウンロード完了まで同期を停止
他のゲームクライアントゲームのパッチや広告コンテンツのダウンロードクライアントソフトを完全に終了させる(タスクトレイからも)

これらのバックグラウンド通信による影響を最小限に抑えるには、ダウンロード開始前にこれらのサービスを一時的に停止または無効化し、Epic Games Launcherが回線の帯域を最大限に利用できる「静かな環境」を人為的に作り出すことが重要です。後の章で、これらのバックグラウンド通信を効率的に停止し、Windowsの設定で通信優先度を調整する具体的な手順を解説します。通信の競合をなくすだけで、ダウンロード速度が二倍以上に向上するケースも珍しくありません。

ストレージ残量不足が原因で速度が出ないケース

ダウンロードの遅延をインターネット回線の問題だと決めつける前に、一度皆さんのPC内部にあるストレージ(HDDまたはSSD)の状態をチェックしてみてください。実は、高速な光回線を使用しているにも関わらずダウンロード速度が遅いという状況の多くは、「回線」ではなく「PCの書き込み処理」にボトルネックがある、というケースが近年非常に増えています。

Epic Games Launcherが行うダウンロードは、サーバーからデータを受信すると同時に、そのデータをPCのストレージに書き込む(ディスクI/O)という二重のプロセスです。もし、回線速度が1Gbps(約125MB/秒)であっても、ストレージの書き込み速度が100MB/秒しか出なければ、ネットワークから送られてきたデータはPCのメモリ内で一時的に滞留し、書き込み処理が追いつくのを待つことになります。結果として、ダウンロードの平均速度は、ストレージの書き込み速度の上限に制限されてしまいます。

このストレージのボトルネックをさらに悪化させるのが、残量不足です。

  1. 書き込み効率の低下
    特に従来のHDD(ハードディスクドライブ)を使用している場合、空き容量が少なくなると、データを連続した領域に書き込むことができなくなり、データがバラバラに散らばる「断片化」が進行します。これにより、書き込み動作が非効率になり、速度が低下します。SSD(ソリッドステートドライブ)においても、残量が極端に少ない状態が続くと、内部のコントローラーの処理負荷が増大し、書き込み速度が低下する現象が確認されています。
  2. キャッシュ領域の圧迫
    Epic Games Launcherは、ダウンロードの途中でデータの整合性チェックや一時的な解凍作業のために、ストレージ上の一時ファイル領域を広く利用します。ストレージの空き容量が不足していると、これらの重要な一時ファイルの作成・管理がスムーズに行えなくなり、ダウンロード処理が頻繁に中断したり、遅延したりする原因となります。
ストレージの種類ダウンロード速度への影響最適な環境の目安
HDD(ハードディスク)低速な書き込み速度がボトルネックになりやすい。断片化の影響も大きい。ゲームインストール容量の2倍以上の空き容量を確保する。
SSD(ソリッドステートドライブ)高速だが、残量が10%以下になるとコントローラの処理負荷で速度が低下する可能性がある。最低でも総容量の20%以上の空き容量を維持する。

高速な光回線を契約し、Cat6Aの有線LANを使っているにも関わらず速度が出ない場合は、まずインストール先のドライブの空き容量を確認し、不要なファイルやアプリケーションを削除して容量を確保することが、最優先の対処法となります。特に大容量のゲームデータが当たり前となった現代では、ストレージの性能が通信速度の上限を決めているという意識を持つことが重要です。

Epic Games Launcher自体のバージョン不具合や設定ミスによる影響

外部のネットワーク環境やPCのハードウェアに問題が見当たらない場合、ダウンロード速度の遅延は、Epic Games Launcherというソフトウェア自体が抱える問題や、ユーザーによる設定ミスに起因している可能性が高いです。アプリケーション側の問題は、外部要因よりも比較的簡単に特定し、解決することができます。

まず、最も単純な原因として、Launcher内部の**「ダウンロードの制限」設定**が意図せず有効になっているケースが挙げられます。この機能は、ダウンロード時にネットワーク帯域の最大値を設定するためのものですが、過去に設定したことを忘れていたり、Kbps(キロビット毎秒)とMbps(メガビット毎秒)といった単位の勘違いから、非常に低い値(例えば10Mbpsを10MB/sと勘違いするなど)を設定してしまっていることがあります。この設定が有効になっていると、契約回線がどれだけ速くても、設定された制限値以上の速度は絶対に出ません。

次に、Launcherのソフトウェア的な不具合も原因となり得ます。ソフトウェアは頻繁にアップデートされますが、時には特定のOSバージョンや環境との組み合わせで、メモリリーク(メモリの過剰消費)やネットワークモジュールのバグが発生することがあります。これらの不具合が発生すると、Launcherの動作が重くなったり、通信処理が非効率になったりして、ダウンロードが不安定になったり、速度が低下したりします。

Launcherの問題の種類発生する状況と主な影響確認すべき設定項目
帯域制限の設定ミス速度が一定の低い値で固定され、変動しない設定 > ダウンロードの制限(チェックの有無と設定値)
ダウンロードキャッシュの破損ダウンロードの開始時や再開時に時間がかかる、整合性チェックに失敗するLauncherの再インストール(キャッシュリセット)
古いバージョンでのバグLauncherの動作が不安定、メモリ使用量が多い、予期せぬエラーが発生するLauncherが最新バージョンであるかどうかの確認
プロキシ設定の誤り社内ネットワークなど特殊な環境で使用した際のプロキシ設定が残っている設定 > 詳細設定(プロキシ設定)が空欄または正しい値であるか

これらの問題を解決するための最も簡単な方法は、まずLauncherの設定画面を開き、帯域制限が意図せず低い値になっていないかを確認することです。もし設定に問題がなくても速度が改善しない場合は、Launcherの再起動や、後の章で解説する「再インストール」を実行することで、内部に蓄積された破損キャッシュを一掃し、問題を解消できる可能性が非常に高くなります。ソフトウェアの問題は、ハードウェアの故障とは異なり、設定のリセットや再導入で解決することがほとんどです。

Epic Games Launcherのダウンロードを最速化する設定と対処法

前章で、ダウンロード速度が低下する原因が多岐にわたることを理解し、どの要素がボトルネックになっているかを推測することができました。この章では、その推測を基に、皆さんのPCとネットワーク環境を最大限に活用し、Epic Games Launcherのダウンロードを理論上の最速値に近づけるための具体的な「設定変更と対処法」を解説します。

これらの対処法は、単に速度を上げるだけでなく、PCのネットワーク環境全体の安定性を向上させる効果も持っています。自動車のチューニングと同じく、システムの細かな調整を行うことで、全体的なパフォーマンスを引き上げることができます。設定変更は難しくありませんので、一つずつ手順を追って実行してみてください。


【以下で分かること】

  • Epic Games Launcherの内部設定で速度を阻害する要因を排除する具体的な方法
  • インターネットの通信効率を上げるDNSサーバーの選び方と設定手順
  • 不要なバックグラウンド通信を停止し、回線帯域をLauncherに集中させるテクニック
  • セキュリティを維持しつつ、Launcherの通信を優先させるための例外設定の方法

Epic Games Launcherの設定で帯域制限を解除する方法

ダウンロード速度の遅延が、外部のネットワークやPCの環境ではなく、Epic Games Launcherの内部設定によるものである場合、この帯域制限の解除は最も即効性のある対処法となります。多くのユーザーがこの設定の存在を忘れているか、あるいは初期設定のままで放置しているため、高速回線を契約していても設定値の上限で速度が頭打ちになってしまう現象が発生しているのです。

Epic Games Launcherは、ユーザーの利便性を考慮してダウンロード速度に任意の上限を設定できる機能を提供しています。この機能は、ゲームのダウンロード中も快適にウェブブラウジングや動画視聴をしたい場合に非常に有用ですが、最速でゲームをインストールしたい時には、この機能が最大の邪魔となってしまいます。この制限を解除することで、Launcherはご自身のインターネット回線が許す限りの全帯域を利用できるようになります。

帯域制限を解除するための具体的な手順は以下の通りです。

  1. 設定画面へアクセス
    Epic Games Launcherを起動し、画面左下にあるご自身のユーザーアイコン、またはその隣にある「設定」アイコン(歯車のマーク)をクリックして設定メニューを開きます。
  2. ダウンロード制限の項目を探す
    設定メニューの画面をスクロールダウンし、「ゲームのダウンロード」セクションに位置する「ダウンロードの制限」という項目を見つけます。
  3. 制限を無効化する
    • この「ダウンロードの制限」にチェックが入っている場合、制限が有効になっています。最速でのダウンロードを希望する場合は、このチェックボックスを完全にオフにしてください。これで制限が解除され、Launcherは回線が持つポテンシャルを最大限に活用できるようになります。
    • もし何らかの理由でチェックをオフにできない場合や、特定の速度以下に抑えたい場合は、設定されている数値を確認します。設定されている値が「0」または非常に低い値になっていないかを確認し、必要であれば「999999」といった、皆さんの回線速度を遥かに超える大きな値を手動で入力し、実質的な制限を解除します。

特に注意が必要なのは、表示されている速度の単位です。Epic Games Launcherでは通常、「KB/s」(キロバイト毎秒)や「MB/s」(メガバイト毎秒)が用いられますが、皆さんの契約回線速度は「Mbps」(メガビット毎秒)で表示されます。1バイトは8ビットに相当するため、例えば100Mbpsの回線速度は理論上、最大約12.5MB/s(メガバイト毎秒)となります。この単位換算を誤って、低い値を設定しないように細心の注意を払ってください。設定変更後、Launcherを再起動し、ダウンロード速度の変化をすぐに確認しましょう。

DNS設定を変更して通信経路を最適化する手順

インターネットのダウンロード速度は、データがサーバーからPCに届くまでの「経路」と「経路決定の速さ」によって大きく左右されます。この経路決定において最も重要な役割を担うのがDNS(Domain Name System)サーバーです。ダウンロードが遅い場合、DNSサーバーの設定を見直し、より高速で応答性の高いパブリックDNSサーバーに切り替えることで、通信のボトルネックを解消し、ダウンロード速度を最適化することが可能です。

DNSは、ウェブサイトのアドレス(例: epicgames.com)を、インターネット上のコンピューターが通信に使うIPアドレス(例: 104.20.73.57)に変換する役割を果たしています。通常、皆さんはインターネットサービスプロバイダ(ISP)から自動的に割り当てられたDNSサーバーを使用していますが、このISPのDNSサーバーが混雑していたり、応答が遅延したりすると、ダウンロード開始までの時間が伸びたり、通信が不安定になったりします。

パブリックDNSサーバー、特にGoogle Public DNSやCloudflare DNSは、世界中のユーザーからのアクセスに対応できるよう設計されており、応答速度と安定性に優れています。これらを利用することで、IPアドレスの解決にかかる時間が短縮され、Epic Gamesのコンテンツ配信サーバー(CDN)の中でも、皆さんのPCに最も近い、あるいは最も空いているサーバーへと効率的に接続できるようになるため、実質的なダウンロード速度の改善が見込めます。

パブリックDNSサーバープライマリDNSアドレスセカンダリDNSアドレス特徴
Google Public DNS8.8.8.88.8.4.4応答速度とセキュリティに優れ、世界中で広く利用されている。
Cloudflare DNS1.1.1.11.0.0.1プライバシー保護に重点を置いており、業界最速レベルの応答速度を誇る。

DNS設定を変更する具体的な手順(Windows 10/11)は以下の通りです。

  1. ネットワーク接続画面を開く: Windowsの検索バーに「コントロールパネル」と入力し、「ネットワークとインターネット」>「ネットワークと共有センター」>「アダプターの設定の変更」に進みます。
  2. プロパティ画面を開く: 現在使用している接続(「イーサネット」または「Wi-Fi」)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
  3. IPv4設定を変更: 一覧から「インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)」を選択し、「プロパティ」ボタンをクリックします。
  4. DNSアドレスを入力: 「次のDNSサーバーのアドレスを使う」にチェックを入れ、優先DNSサーバーと代替DNSサーバーに、上記表のDNSアドレス(例: 8.8.8.8と8.8.4.4)を入力し、「OK」をクリックして閉じます。

このDNS設定の変更は、通信の「道案内」をより優秀なシステムに任せる行為であり、ネットワークプロトコルに基づく非常に効果的な最適化手法です。この設定変更によって、ダウンロード速度が格段に安定し、本来の回線速度が発揮されるようになる可能性があります。

参照元:一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター DNSの仕組みとパブリックDNSサービス利用の利点

バックグラウンドアプリを停止して回線負荷を軽減するコツ

ダウンロード速度を最大限に引き出すためには、Epic Games Launcherがインターネット回線の帯域を「専有」できる状態を作り出すことが不可欠です。PCのネットワーク回線は一本のパイプのようなものであり、バックグラウンドで動作している他のアプリケーションが水(データ)を大量に使い始めると、Launcherに流れる水の量が減ってしまいます。この回線負荷の競合を解消することが、速度改善の大きなポイントとなります。

回線帯域を奪い合う主な競合相手として、前章で触れた「Windows Update」や「クラウド同期サービス」、そして「他のゲームクライアント」が挙げられますが、これらに加えて、常時起動しているブラウザのタブ(特に動画やライブ配信サイト)や、メッセージングアプリの自動更新なども細かく帯域を消費しています。これらの通信を一律に一時停止することが、回線負荷を軽減する最も有効なコツです。

回線負荷を軽減するための具体的な手順は、以下の通りです。

  1. クラウド同期の一時停止
    OneDriveやGoogle Driveなどのクラウドストレージサービスのアイコンをタスクトレイ(画面右下)で見つけ、右クリックメニューから「同期の一時停止」または「アップロード/ダウンロードの制限」を選択します。同期が一時停止されれば、大容量のファイル転送による帯域消費がなくなります。
  2. 他のゲームクライアントの完全終了
    SteamやXboxアプリ、Originなどの他のゲームプラットフォームも、バックグラウンドでパッチの確認や広告のダウンロードを自動的に行っています。これらのクライアントソフトを単にウィンドウを閉じるだけでなく、タスクトレイからも右クリックで「終了」を選び、完全にプロセスを停止させてください。
  3. Windows Updateの調整
    Windowsの設定 > 更新とセキュリティ > 配信の最適化に進み、「他のPCからのダウンロードを許可」のチェックを外し、アップロード帯域の消費を止めます。さらに、更新プログラムのダウンロード自体を一時的に停止する設定も有効です。
競合アプリ/サービス帯域への影響優先的に行うべき対処法
クラウドストレージ常にアップロード・ダウンロードを実行ダウンロード完了まで手動で同期を一時停止する
他のゲームプラットフォーム自動アップデートやパッチのダウンロードアプリケーションと関連するバックグラウンドプロセスを完全に終了する
動画・配信サイト大量のバッファリング通信ブラウザの該当タブを閉じるか、ブラウザ自体を閉じる
Windows Update大容量のシステムファイルダウンロード配信の最適化を無効化し、アップロードの帯域消費を停止する

この「専有環境の構築」は、特に回線速度がそれほど速くない環境や、家族やルームメイトと回線を共有している環境で劇的な効果を発揮します。Epic Games Launcherがダウンロードを開始する前に、これらの不要な通信をすべて遮断し、回線帯域の主導権をLauncherに渡すことで、ダウンロード速度を大幅に向上させることが可能です。

有線LAN接続で速度を安定させるおすすめ環境

ダウンロード速度の不安定さや期待値との乖離を解消するための最も根本的な解決策は、物理的な接続環境をWi-Fi(無線)から有線LANに切り替えることです。プロの現場では、通信の安定性を最優先する場合、必ず有線接続が選択されます。有線接続は、無線接続特有の電波干渉、距離による信号減衰、壁などの障害物といった問題を一切受けず、契約回線の最大速度を最も忠実にPCに届けられるからです。

有線LAN接続に切り替える際、単にケーブルで繋ぐだけでなく、「最速」を追求するためにはいくつかの推奨される環境整備が必要です。自動車の高性能タイヤと同じく、ネットワーク機器も規格が性能を決定づけます。

  1. LANケーブルの規格(カテゴリ)の確認と交換
    • 現在、最低限推奨されるのは「カテゴリ6A (Cat6A)」のLANケーブルです。旧規格のCat5eケーブルでも1Gbps(ギガビット)の通信は理論上可能ですが、Cat6Aはノイズ耐性が高く、将来的に普及が進む10Gbpsの通信にも対応できるため、余裕を持った通信環境を構築できます。特に長い距離を配線する場合や、他の家電の電源ケーブルの近くを通す場合は、ノイズの影響を受けにくいCat6A以上のシールド付きケーブル(STPケーブル)を選ぶことが、安定した高速通信の鍵となります。
  2. ルーターとPCのLANポート規格の確認
    • 契約回線が1Gbpsであっても、ルーターやPCのLANポートが古い「100Mbps(100BASE-TX)」にしか対応していない場合、その速度が最大値となります。ルーターの仕様書やPCのマニュアルを確認し、ポートが「ギガビットイーサネット(1000BASE-T)」以上に対応していることを確認してください。もしルーターが古い場合は、高性能で多ポート、かつ最新の規格に対応したルーターへの交換を強く推奨します。
構成要素推奨規格/チェックポイント速度安定への寄与
LANケーブルCat6A または Cat7/Cat8ノイズ耐性の向上と、1Gbps以上の高速通信の物理的確保
ルーター/ハブ1000BASE-T以上、または2.5G/10G対応ネットワーク処理能力の向上と、データ転送のボトルネック解消
接続方法PCとルーターを可能な限り直結(途中に余計なハブを挟まない)通信経路を最短化し、遅延(レイテンシ)を最小限に抑える

有線接続への切り替えと、機器の規格の確認・更新は、ダウンロード速度の不安定さを解消し、回線が持つ本来の速度を引き出すための最も確実な投資と言えます。特に大容量のゲームを頻繁にダウンロードするゲーマーにとって、この物理環境の最適化は、快適なゲームライフを送るための必須条件と言えるでしょう。

参照元:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会 家庭用高速LAN環境構築のための推奨ガイドライン

Epic Games Launcherを再インストールしてキャッシュをリセットする手順

これまでに解説した全てのネットワーク設定と環境整備を試してもなお、ダウンロード速度が改善しない場合、問題はEpic Games Launcherというソフトウェア自体に蓄積された「内部的なエラー」にある可能性が非常に高くなります。このような場合に最も効果的なのが、Launcherを一度完全にアンインストールし、クリーンな状態で再インストールする手順です。これは、ソフトウェアに起因する速度低下を根治するための「リセット」操作です。

Launcherは、使用する中でダウンロードの履歴、一時ファイル、ゲームのアップデート情報、ユーザー設定などを「キャッシュ」としてPC内に保存していきます。これらのキャッシュファイルが何らかの理由(例えばPCの強制終了や通信の切断など)で破損したり、過剰に蓄積されたりすると、Launcherの動作自体が不安定になったり、ダウンロード開始前のデータ整合性チェックに膨大な時間がかかったりするようになり、結果としてダウンロード速度の実効値が低下します。

再インストールは、この破損したキャッシュをすべて消去し、Launcherを工場出荷時の健全な状態に戻す行為です。重要な点として、Launcherをアンインストールしても、既にインストール済みのゲームデータ自体は通常削除されません(ゲームデータは別の専用フォルダに保存されています)。ただし、万一に備えて、ゲームのインストールフォルダを別の場所にコピーしてバックアップを取っておくと、より安全です。

Launcherをクリーンに再インストールする手順は以下の通りです。

  1. Launcherのアンインストール
    Windowsのスタートメニューから「設定」を開き、「アプリ」または「アプリと機能」に進みます。アプリの一覧から「Epic Games Launcher」を探し、選択して「アンインストール」を実行します。
  2. 残存キャッシュの手動削除
    アンインストール後も、一部のキャッシュフォルダがPCに残ることがあります。完全にクリーンな状態にするため、以下の場所にあるEpic Games Launcher関連のフォルダを手動で削除します。
    • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\EpicGamesLauncher
    • C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Local\EpicGames
    • これらのAppDataフォルダは通常隠しフォルダになっているため、エクスプローラーの「表示」タブで「隠しファイル」にチェックを入れて表示させてください。
  3. Launcherの再ダウンロードとインストール
    Epic Gamesの公式サイトから最新版のインストーラーを改めてダウンロードし、インストールを実行します。
  4. 設定の再確認
    新しくインストールされたLauncherを起動し、ログイン後、必ず「設定」画面から「ダウンロードの制限」が解除されていることを再確認してください。

この再インストールとキャッシュリセットのプロセスは、ソフトウェアの挙動が原因であるすべての問題を解決し、Launcherが最速で通信を行うための土台を再構築してくれます。もし原因が特定できなかった場合でも、この手順を踏むことで、ほとんどのソフトウェア的な不具合は解消されるでしょう。

セキュリティソフトの例外設定で通信制限を回避する方法

セキュリティソフトやファイアウォールによる通信の制限は、しばしば「見えない壁」となり、Epic Games Launcherのダウンロード速度を阻害します。皆さんのPCを守るための防御機能が、大容量通信を「異常な通信」や「不正アクセス」と誤認し、監視やフィルタリングをかけることで、通信速度が低下してしまうのです。この問題を恒久的に解決するためには、セキュリティソフトに対して**Epic Games Launcherの通信を信頼し、監視の対象から除外する「例外設定」**を行うことが必須となります。

例外設定を行うことで、セキュリティソフトはLauncherの通信に対してリアルタイムスキャンやトラフィック制御を行わなくなるため、ダウンロードデータがセキュリティチェックによるCPUリソースの消費や遅延なしに、直接ストレージへと書き込まれるようになります。これにより、特にCPUやディスクI/Oの性能が高くないPC環境において、顕著な速度改善が見込めます。

具体的な例外設定の手順は、お使いのセキュリティソフト(ノートン、ウイルスバスター、マカフィーなど)によって異なりますが、基本的な考え方はWindows標準のファイアウォール設定を含め、以下の通りとなります。

  1. セキュリティソフトの設定画面を開く
    各セキュリティソフトのメインインターフェースを起動し、「設定」または「ファイアウォール」関連の項目を探します。
  2. 除外リスト/信頼済みプログラムの項目へ移動
    メニューの中から、「除外リスト」、「信頼済みプログラム」、「アプリケーション制御」といった名称の項目を見つけます。
  3. Epic Games Launcherの実行ファイルを追加
    • 除外リストに、Epic Games Launcherの実行ファイルであるEpicGamesLauncher.exeのパスを追加します。この実行ファイルは通常、C:\Program Files (x86)\Epic Games\Launcher\Portal\Binaries\Win64\内にあります。
    • セキュリティソフトによっては、特定のプロセス(この場合はLauncher)のネットワーク通信に対するチェックを無効化する設定(「ネットワーク保護をオフにする」など)もあります。この設定をLauncherに対してのみ適用することで、最も効果的な通信制限の回避が可能です。
  4. Windows Defender ファイアウォールの確認:
    • Windowsの検索窓に「ファイアウォール」と入力し、「Windows Defender ファイアウォールを介したアプリまたは機能を許可」を開きます。
    • 一覧に「Epic Games Launcher」が存在し、プライベートネットワークとパブリックネットワークの両方でチェックが入っている(許可されている)ことを確認します。もし項目がない場合は、「設定の変更」から手動で実行ファイルを追加してください。

この例外設定は、Epic Games Launcherという大手プラットフォームの正規アプリケーションに対して行うため、セキュリティ上のリスクは極めて低いと言えます。しかし、セキュリティソフトを完全に無効化する行為は避けるべきです。あくまでも、Launcherという特定のアプリケーションの通信のみを許可し、他の未知の脅威からの防御は維持することが、安全性を保ちながら最速化を図るための賢い選択となります。

参照元:経済産業省 セキュリティ対策としてのファイアウォール設定の重要性

Windows設定でネットワーク優先度を上げる最終手段【まとめ】

これまでに解説した、Epic Games Launcherの帯域制限解除、DNS設定の最適化、有線LAN接続、バックグラウンドアプリの停止、そしてセキュリティソフトの例外設定という一連の対策をすべて試したにも関わらず、依然としてダウンロード速度が期待値を下回る場合、残された最後の手段は、Windows OSの内部設定に介入し、ネットワーク通信の処理優先度を強制的に引き上げることです。

この方法は、主にレジストリを編集することで、OSがネットワーク帯域のスロットリング(制限)を行う際の挙動を調整し、Epic Games Launcherのような「大容量を転送するアプリケーション」の通信を最優先で処理するようにOSに指示を出す、上級者向けのテクニックです。特に、Windowsがマルチメディアやゲーム関連のトラフィックに対して適用するQoS(Quality of Service)の優先制御メカニズムを調整し、Launcherの通信を他のすべてのプロセスよりも優位に立たせることを目的とします。

注意点として、レジストリの編集はシステムの安定性に影響を与える可能性があるため、必ず自己責任で行い、事前にシステムのバックアップを取ることを強く推奨します。

  1. レジストリエディタの起動
    Windowsの検索バーに「regedit」と入力し、管理者としてレジストリエディタを起動します。
  2. 対象キーへの移動: 以下のパスをアドレスバーにコピー&ペーストして移動します。HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Multimedia\SystemProfile
  3. 新しいDWORD値の作成と設定
    • 右側のウィンドウで右クリックし、「新規」 > 「DWORD (32ビット) 値」を選択します。
    • 新しい値の名前を正確に**NetworkThrottlingIndex**と入力します。
    • この新しい値をダブルクリックし、「値のデータ」を**FFFFFFFF**(16進数)に設定し、「OK」をクリックします。
      • この設定は、Windowsがアプリケーションのネットワーク帯域を制限するスロットリング機能を事実上完全に無効化する効果があります。
  4. PCの再起動
    設定をシステム全体に反映させるために、PCを再起動します。

このレジストリの調整は、Windowsが持つ通信の公平性制御機能を解除する強力な手段であり、他のアプリのネットワークパフォーマンスに影響を与える可能性があります。もし設定後にPCの動作が不安定になったり、他のアプリケーションで通信エラーが発生したりした場合は、作成したNetworkThrottlingIndexの値を削除するか、設定値を10(初期設定に近い値)に戻すことで、元の状態に戻すことができます。

以上の全ての対策は、皆さんのEpic Games Launcherのダウンロード速度を、回線が持つ物理的な最大値に限りなく近づけるための集大成です。


【まとめ】

皆さんのゲームダウンロードを最速化するための、プロの視点による最終的なチェックリストです。これらのポイントを一つでも見逃さずに実行することで、Epic Games Launcherのダウンロードが遅いという悩みは解消されるでしょう。

  • ダウンロードの制限
    Launcherの設定画面にある「ダウンロードの制限」のチェックを外し、意図せず設定された速度制限を完全に無効化します。
  • LANケーブルのアップグレード
    通信の安定性を確保するため、Wi-Fiではなく有線接続を基本とし、LANケーブルはCat6A以上の規格に交換します。
  • パブリックDNSへの切り替え
    Google Public DNS(8.8.8.8)などの高速なDNSサーバーを設定し、IPアドレス解決にかかる時間と通信経路を最適化します。
  • バックグラウンド通信の遮断
    Windows Updateの配信の最適化や、クラウドストレージの同期機能を一時停止し、Launcherが回線帯域を独占できる環境を作ります。
  • セキュリティソフトの例外設定
    ファイアウォールやセキュリティソフトの除外リストにLauncherの実行ファイルを追加し、リアルタイムスキャンによる速度低下を防ぎます。
  • ストレージの空き容量確保
    ダウンロード先のドライブに、ゲーム容量の2倍程度の十分な空き容量を確保し、ディスクI/Oのボトルネックを解消します。
  • ルーターとLANポートの規格確認
    ルーターとPCのLANポートが、契約回線速度に対応したギガビットイーサネット(1000BASE-T)以上であることを確認します。
  • Launcherのクリーン再インストール
    設定やキャッシュの破損が疑われる場合は、Launcherを完全にアンインストールし、残存ファイルを削除してから再インストールしてリフレッシュします。
  • 時間帯の調整
    新作リリースや大型アップデートの直後、または週末の夜間といったアクセス集中時を避け、早朝や平日の日中にダウンロードを再試行します。
  • レジストリによる優先度調整
    最終手段として、レジストリエディタでNetworkThrottlingIndexを調整し、OSによるネットワーク帯域の制限を解除します。

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