デスクトップPC 電源 入らない時の最終チェックリスト10項目|買い替え前に必ず読むべき

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デスクトップPCの電源ボタンを押しても反応がない、ファンも回らない、画面が真っ暗なままという状況は、誰しもが一度は経験する冷や汗が出る瞬間です。 大切なデータが消えてしまったのではないか、高価なパソコンが壊れてしまったのではないかと焦る気持ちは痛いほど分かりますが、実は故障ではなく、ほんの些細な接触不良や帯電が原因であるケースが非常に多いのです。

メーカー修理に出したり、新しいPCへの買い替えを検討したりする前に、まずは深呼吸をして、この記事で紹介するチェックリストを一つずつ試してみてください。 意外なほどあっさりと復旧し、修理代もかからずに解決できる可能性が十分にあります。


【この記事で分かること】

  • 電源が入らない原因を特定するフロー
  • 自宅でできる安全な復旧手順と放電処置
  • 修理依頼や買い替えを判断する基準
  • トラブルを未然に防ぐメンテナンス知識




デスクトップPC 電源 入らない原因と基本チェックポイント

電源が入らない原因は多岐にわたりますが、大きく分けると「電気的なトラブル」「物理的な接触不良」「パーツの故障」の3つに分類されます。 いきなりPCケースを開けて複雑な作業をする必要はありません。

まずは家のコンセント周りや、外部から確認できるケーブル類のチェックから始めるのが鉄則です。 長年PCを使っている私でも、うっかり電源タップのスイッチがオフになっていただけだった、という経験があるくらい、灯台下暗しな原因が隠れているものです。 ここでは、まず最初に確認すべき基本的な項目と、原因の切り分け方について詳しく見ていきましょう。

デスクトップPCで電源が入らない時にまず疑うべき原因とは?

デスクトップPCの電源が入らない時、まず冷静になって観察すべきなのは「どの段階で止まっているか」という点です。 完全に沈黙しているのか、一瞬だけファンが回るのか、あるいはランプは点くけれど画面が出ないのかによって、疑うべきパーツが全く異なります。 例えば、電源ボタンを押しても何の音もしないし光りもしない場合は、電力がマザーボードまで届いていない可能性が高く、電源ユニットやケーブル、コンセントの不具合が疑われます。

一方で、ファンは回るけれど画面に何も映らない場合は、電源自体は入っているものの、BIOSが立ち上がっていない状態であり、メモリやグラフィックボード、あるいはマザーボード自体の不調が考えられます。


症状と疑われる原因の対応表

  • 完全な沈黙(音なし・光なし)
    電源ケーブルの外れ、コンセントの断線、電源ユニットの完全故障、マザーボードの故障が考えられます。
  • ファンだけ一瞬回ってすぐ切れる
    マザーボードやCPU付近でのショート、電源ユニットの出力不足、保護回路の作動が疑われます。
  • ファンは回り続けるが画面は黒い
    メモリの接触不良、グラフィックボードの故障、モニターケーブルの抜け、モニター自体の故障の可能性があります。
  • ビープ音(警告音)が鳴る
    マザーボードが異常を検知しています。音の回数や長さ(長音・短音)でメモリやGPUの異常を特定できます。

また、季節的な要因も見逃せません。冬場の乾燥した時期であれば静電気が原因で保護回路が働いていることもありますし、夏場の暑い時期であれば熱暴走による強制シャットダウン後のロック状態であることも考えられます。

さらに、「昨日まで使えていたか」「直前にパーツ交換や掃除をしたか」「雷が鳴っていなかったか」といった直前の状況を思い出すことも、原因特定への近道となります。 まずはPCの背面に手を当ててみて、電源ユニットのスイッチが入っているか(「I」がON、「O」がOFFです)を確認し、基本のキから疑っていきましょう。

参照元:Intel プロセッサーのトラブルシューティング・ウィザード

電源コード・コンセントの接触不良を確認する基本手順

信じられないかもしれませんが、電源トラブルの解決事例の中で最も多いのが、この電源コードやコンセント周りの単純な接続ミスです。 デスクトップPCは足元や壁際などの掃除しにくい場所に設置されることが多く、掃除機をかけた拍子にケーブルが引っ張られて抜けかかっていたり、ペットがケーブルに触れて緩んでいたりすることがよくあります。

特にPC側の電源コネクタは、しっかりと奥まで差し込まれていないと接触不良を起こしやすい構造になっており、見た目は刺さっているように見えても、実は通電していないというケースが後を絶ちません。


確認すべき電源周りのチェックリスト

  • 壁のコンセントへの直結テスト
    タコ足配線や電源タップを使用している場合、タップ自体の故障や容量オーバーの可能性があります。一度壁のコンセントに直接PCのプラグを挿して動作確認をしてください。
  • PC側コネクタの差し込み確認
    PC背面の電源ケーブルを一度完全に引き抜き、再度「グッ」と手応えがあるまで奥に差し込んでください。多くのケーブルは硬めに作られているため、力が足りていないことがあります。
  • 電源タップの個別スイッチ
    節電機能付きのタップを使っている場合、足で踏んでしまったりしてスイッチがOFFになっていないか確認します。また、タップのパイロットランプが点灯しているかも重要です。
  • ケーブルの断線チェック
    ケーブルが家具の下敷きになっていたり、鋭角に曲がっていたりしませんか。被覆が破れていなくても内部で断線している場合があります。予備のケーブル(モニターの電源ケーブルと同じ規格のことが多いです)があれば交換して試してください。

電源コードの接続を確認する際は、必ずPCの電源スイッチをOFFにした状態(または背面の主電源スイッチをOFF)で行ってください。 通電状態でケーブルを抜き差しすると、スパーク(火花)が発生し、最悪の場合PC内部のパーツをショートさせてしまう恐れがあります。

また、コンセント自体に電気が来ているかを確認するために、ドライヤーやデスクライトなど、他の家電製品を同じコンセントに挿して動くかどうか試すのも有効な手段です。 これで動かなければ、原因はPCではなく家のブレーカーやコンセント設備にあることが判明します。

電源ユニット(PSU)の故障が疑われる症状と見分け方

電源ユニット(PSU)は、家庭用コンセントの交流電気をPCパーツが使える直流電気に変換する、いわばPCの心臓部にあたる重要なパーツです。 この部品は経年劣化しやすく、一般的に3年から5年程度でコンデンサなどの部品が消耗し、出力が不安定になったり完全に動作しなくなったりします。 電源ユニットが故障すると、当然ながらマザーボードやCPUに電力供給が行われないため、PCはうんともすんとも言わなくなりますが、完全に壊れる前兆や特有の症状が現れることもあります。


電源ユニット故障の可能性が高い兆候

  • 異臭や異音の発生
    PCの背面から焦げ臭いにおいがしたり、「ジージー」「キーン」といったコイル鳴きや異音が聞こえる場合、内部のコンセントや回路が焼損している可能性があります。
  • 突然の電源断と再起動
    使用中に突然プツンと電源が落ちたり、勝手に再起動を繰り返したりする場合は、電力供給が不安定になっている証拠です。
  • ケースファンの挙動
    電源ボタンを押した瞬間、背面ファンの羽根がピクッと動くものの、すぐに止まってしまう場合、電源ユニットが起動しようとして保護回路が働き、シャットダウンしている可能性があります。
  • 電源ユニット背面のファン
    PCの電源を入れた際、電源ユニット自体に内蔵されているファンが回っているか確認してください。これが回っていない場合、電源ユニット自体の故障か、ファン故障による熱暴走防止機能が働いています。

電源ユニットの故障を見分ける簡易的な方法として、もしテスターを持っていれば各ピンの電圧を測ることができますが、一般家庭にはなかなかないでしょう。 その代わりとして、もし手元に古いPCや家族のPCなど、正常に動作する別のデスクトップPCがあれば、その電源ユニットを一時的に借りて繋ぎ変えてみるのが最も確実な診断方法です。

ただし、電源ユニットの交換はケーブルの配線が複雑で手間がかかるため、まずは他の原因(メモリやスイッチなど)を全て潰してから、最終的な疑いとして電源ユニットの検証を行うのが効率的です。 なお、電源ユニット内部には高電圧が蓄えられているコンデンサがあり、分解するのは感電の危険があるため絶対に行わないでください。

参照元:一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)パソコンの安全な使い方の手引き

マザーボードのLEDが点灯しない時のチェックポイント

最近のマザーボードの多くには、通電確認用のLED(スタンバイLED)や、トラブルシューティング用のデバッグLEDが搭載されています。 PCのサイドパネルを開けて(強化ガラス製なら外から覗いて)、マザーボード上のどこかが光っているかを確認することは、トラブルの原因を切り分ける上で非常に重要な手がかりとなります。

電源コードをコンセントに繋ぎ、背面の主電源スイッチをONにした段階で、マザーボード上のLEDが点灯していれば、少なくとも電源ユニットからマザーボードまでの電力供給は行われていると判断できます。


マザーボードLEDの状態による診断

  • LEDが全く点灯しない場合
    電源ユニットからマザーボードへ電力が届いていません。電源ユニットの故障、24ピンメイン電源ケーブルの抜け、あるいはマザーボード自体の完全な故障が疑われます。
  • LEDは点灯するが起動しない場合
    通電はしています。この場合、電源スイッチの故障、メモリの不具合、CPUの故障、あるいはBIOSの設定不良などが考えられます。
  • 特定の警告ランプが点灯している場合
    「CPU」「DRAM」「VGA」「BOOT」といった文字の横にあるLEDが光っている場合、そのパーツに異常があることを示しています。例えばDRAMランプが点灯していればメモリの接触不良が濃厚です。
  • 点滅を繰り返している場合
    電源供給が不安定か、マザーボード上のコンデンサ不良などで正常に起動シーケンスに入れない状態です。

もしお使いのマザーボードにLEDがない古いタイプや廉価版のモデルである場合は、CPUファンやケースファンの動きを注視してください。 また、マザーボード上のコンデンサ(円筒形の部品)の頭が膨らんでいないか、液漏れしていないかを目視で確認するのも有効です。

コンデンサの膨張はマザーボードの寿命を示しており、この場合は部品交換ではなくマザーボード自体の交換(つまりPCの買い替えや組み直し)が必要になります。 LEDが点灯していても起動しない場合、マザーボード上のボタン電池(CMOS電池)が切れているだけの可能性もあるため、後述するCMOSクリアの手順も合わせて検討してください。

参照元:ASUS マザーボードのトラブルシューティング

フロントパネルの電源スイッチ配線が外れている可能性

自作PCやBTOパソコンで意外と多いのが、PCケースのフロントパネルにある電源スイッチとマザーボードを繋ぐ配線(フロントパネルコネクタ)のトラブルです。 この配線は非常に細く、小さなピンに差し込まれているだけなので、PC内部の掃除をした際や、パーツ交換のために手を入れた際、あるいはPCを移動させた振動などで簡単に抜けてしまうことがあります。

「POWER SW」や「PWR_BTN」と書かれた小さなコネクタが、マザーボードの所定のピンから外れていたり、緩んでいたりしないか確認しましょう。


スイッチ配線の確認と導通テストの手順

  • サイドパネルを開けて配線を確認
    マザーボードの右下あたりにある集合ピンヘッダを探します。そこに繋がっている極細のケーブル類の中に「POWER SW」という刻印があるか確認し、抜けていないか見ます。
  • 配線の抜き差し
    見た目は刺さっていても接触不良の可能性があるため、一度抜いてから再度しっかりと差し込み直します。プラスマイナスの極性は電源スイッチには基本的にありませんが、マニュアル通りに挿すのが無難です。
  • 電源ボタン自体の故障を疑う
    PCケースの電源ボタン自体が物理的に壊れている(内部のバネや接点が破損している)可能性もあります。押し心地がスカスカだったり、逆に陥没して戻ってこなかったりしませんか。
  • ドライバーによる短絡(ショート)起動
    これは少し上級者向けですが、電源スイッチの故障を特定する確実な方法です。マザーボード上の電源スイッチを繋ぐ2本のピンを、マイナスドライバーの先端で一瞬触れさせて通電させます。これでPCが起動すれば、マザーボードや電源は正常で、PCケースの電源ボタンが壊れていることが確定します。

ドライバーでのショート起動を行う際は、他のピンに触れないように細心の注意を払ってください。関係ないピンをショートさせるとマザーボードを破損させるリスクがあります。 もしPCケースのスイッチが壊れていることが分かった場合、リセットボタンの配線を電源スイッチのピンに繋ぎ変えることで、リセットボタンを電源ボタン代わりにして急場を凌ぐという裏技もあります。

これは修理部品が届くまでの有効な応急処置となりますので、スイッチ故障が確定した場合は試してみる価値があります。

メモリの接触不良が原因で起動しないケースの対処

電源は入る(ファンが回る・LEDがつく)けれど画面が真っ暗という場合、最も疑わしい犯人は「メモリ」です。 メモリは非常に繊細なパーツで、わずかな振動でスロットとの接触が悪くなったり、端子部分に目に見えない酸化皮膜ができて通電しなくなったりすることが頻繁にあります。

PC業界では「困ったらまずはメモリの抜き差し」と言われるほど、メモリの接触不良は起動トラブルの定番中の定番です。 特に、久しぶりにPCを動かした場合や、湿気の多い場所に置いてあったPCで発生しやすいトラブルです。


メモリトラブルを解消するステップ

  • メモリのロックを外して抜く
    メモリスロットの両端(または片側)にある爪を押し込んでロックを外し、メモリを垂直に引き抜きます。
  • 端子部分の清掃
    抜いたメモリの金色の端子部分を、乾いた柔らかい布や眼鏡拭きで優しく拭きます。汚れがひどい場合は、接点復活剤を綿棒にごく少量つけて塗布するか、鉛筆用の消しゴムで端子を軽く擦って酸化膜を落とす(カスは完全に除去すること)という裏技もあります。
  • 一本ずつテストする
    メモリが2枚以上刺さっている場合、1枚だけをスロットに挿して起動確認します。これで起動すれば、外した方のメモリが壊れているか、あるいはそのスロットが壊れているかが分かります。全てのスロットと全てのメモリを組み合わせて試し、原因を特定します。
  • しっかりと差し込む
    メモリを戻す際は、切り欠きの向きを確認し、スロットに対して垂直に、かなり強めの力で押し込みます。「カチッ」と爪が戻る音がするまで確実に押し込むことが重要です。中途半端な差し込みは故障の原因になります。

メモリの接触不良であれば、この抜き差し作業だけで嘘のようにPCが復活します。 もし複数のメモリを持っていて、特定の1枚を挿した時だけ起動しないのであれば、そのメモリが物理的に故障しています。 逆に、どのメモリを使っても特定のスロットに挿すと起動しない場合は、マザーボード側のスロット故障が疑われます。

メモリは永久保証がついている製品も多いため、故障が確定した場合はメーカー保証を確認してみることをお勧めします。

参照元:Crucial 新しいメモリの問題(トラブルシューティング)

デスクトップPC 電源 入らない時に絶対やってはいけない行動とは?

電源が入らないと、焦りや苛立ちからついつい乱暴な操作をしてしまいがちですが、それが原因で軽微なトラブルを致命的な故障へと悪化させてしまうことがあります。 例えば、HDD(ハードディスク)のアクセスランプが点灯している最中に電源を強制的に切ったり入れたりを繰り返すと、システムデータが破損するだけでなく、HDDの磁気ヘッドがディスクを傷つけ、データ復旧すら不可能になるリスクがあります。

ここでは、トラブル発生時に絶対に避けるべきNG行動についてまとめます。ここにある行動だけは、どんなに焦っていても踏みとどまってください。


状況を悪化させる危険なNG行動リスト

  • 電源ボタンの連打
    PCが反応しないからといって、電源ボタンをカチカチと連打するのは厳禁です。通電のショックが連続してパーツに加わり、電源ユニットやマザーボードのコンデンサに過度な負荷をかけます。一度押したら、少なくとも数秒から数十秒は反応を待つべきです。
  • 通電したままでの内部作業
    コンセントを抜かずにケースを開け、メモリやケーブルに触れるのは自殺行為です。感電のリスクがあるだけでなく、ショートさせてパーツを一瞬で全損させる可能性があります。内部を触る時は必ず「電源OFF」「コンセント抜き」「放電待ち」の3点セットを守ってください。
  • 電源ユニットの分解
    「ヒューズが飛んだだけかもしれない」と電源ユニットの箱を開けようとするのは絶対にやめてください。内部には高圧コンデンサがあり、コンセントを抜いていてもしばらくは致死量の電気が残っています。プロでも専用の設備なしには開けません。
  • 強引なケーブルの抜き差し
    コネクタが固いからといって、ケーブル部分を持って引っ張ったり、ペンチで無理やり抜こうとしたりしないでください。コネクタ破損や断線の原因になります。必ずコネクタの樹脂部分を持ち、ロック機構がある場合はそれを解除しながら作業してください。

これらの行動は、PCを「修理」するどころか「トドメを刺す」行為になりかねません。 特にデータが重要である場合、電源のオンオフを繰り返すたびにHDDへのダメージが蓄積されることを意識してください。

どうしても起動しない場合、無理に自分で直そうとせず、HDDを取り出してデータの吸い出しを優先するか、専門業者に依頼するという判断も、立派なトラブルシューティングの一つです。 冷静さを保つことが、PC復旧への最大の近道であることを忘れないでください。

デスクトップPC 電源 入らない時に試す応急処置と復旧方法

ここからは、実際に手を動かして行う具体的な復旧手順について解説します。 原因の切り分けが終わっても解決しなかった場合、次に試すべきは「PCのリセット」作業です。 PC内部に溜まった不要な電気を逃がしたり、BIOSの設定を工場出荷時に戻したりすることで、論理的なロック状態を解除するアプローチになります。

少し専門的な用語も出てきますが、手順通りに行えば難しいことはありませんので、諦めずにトライしてみてください。


【以下で分かること】

  • 静電気を逃がしてPCを蘇生させる放電処置の手順
  • 最小構成でPCを起動させるテスト方法
  • CMOSクリアによるBIOS初期化の手順
  • グラフィックボードなどのパーツ故障の特定方法

静電気放電(放電リセット)で電源が入るようになる理由

デスクトップPCの電源トラブル解決策として、メーカー公式サポートでも真っ先に推奨されているのがこの「放電」です。 PCの内部回路やコンデンサには、使用しているうちに徐々に微弱な電気が帯電していきます。

この帯電量が一定を超えると、PCの保護回路が誤作動を起こし、「異常電圧を検知した」と判断して通電を遮断してしまうことがあります。 これが、部品はどこも壊れていないのに電源が入らなくなる「帯電症状」の正体です。


効果的な放電リセットの手順

  • 全てのケーブルを取り外す
    電源ケーブルはもちろん、USB機器、LANケーブル、モニターケーブル、マウス、キーボードなど、PCに繋がっている全てのケーブルを抜きます。
  • 数分から数時間放置する
    完全にケーブルがない状態で放置します。メーカーによっては「1分~5分」で十分とする場合もありますが、頑固な帯電の場合は「半日~一晩」放置することで改善するケースもあります。まずは90秒ほど試してみましょう。
  • 電源ボタンを数回空押しする
    ケーブルを抜いた状態で、PCの電源ボタンを5回~10回ほどカチカチと押します。これにより、内部のコンデンサに残った残留電荷を強制的に消費させることができます。
  • 最低限の接続で起動確認
    放電が終わったら、まずは電源ケーブルとモニター、キーボードだけを繋いで起動確認をします。これで起動すれば、帯電が原因だったことになります。

特に冬場の乾燥した時期や、カーペットの上にPCを置いている環境、あるいはPC内部に埃が溜まっている状態だと帯電が起きやすくなります。 この放電作業は、道具も技術も不要で、かつPCにダメージを与えるリスクもゼロに近い、最も安全で効果的な対処法です。

「昨日は動いたのに今日は動かない」といった突発的な不調の場合、この放電だけで嘘のように直ることが大半ですので、分解などの大掛かりな作業をする前に必ず実施してください。

参照元:NEC LAVIE公式サイト パソコンの電源が入らない場合の対処方法

ケーブル・パーツを全て外して再接続するフルリセット手順

放電でも改善しない場合、PCケース内部での接触不良や、特定のパーツの不具合が起動を妨げている可能性があります。 これを解決するために行うのが「フルリセット(組み直し)」に近い作業です。 全てのコネクタを一度抜き、しっかりと挿し直すことで、目に見えない接触不良や酸化皮膜による絶縁状態を解消します。

また、USBメモリや外付けHDDなどの周辺機器が故障しており、それが原因でPC全体の起動を阻害している(POST処理で止まっている)ケースも除外できます。


フルリセットを行う際の重要ポイント

  • 周辺機器の全撤去
    プリンター、Webカメラ、外付けHDD、USBハブなど、PC本体以外に繋がっているものを全て外します。これらが電気的に悪さをして起動しないことは意外とよくあります。
  • 内部ケーブルの挿し直し
    マザーボード上の24ピン電源ケーブル、CPU補助電源(4ピンまたは8ピン)、SATAケーブル、グラフィックボードの補助電源などを一度抜いて挿し直します。特に24ピンは固くて奥まで入っていないことが多いので要注意です。
  • 拡張カードの抜き差し
    グラフィックボード、サウンドカード、キャプチャーボードなどが刺さっている場合、これらも一度抜いて挿し直します。スロットに斜めに刺さっていたりすると起動しません。

この作業を行うことで、「どのパーツを繋いだ時に起動しなくなるか」を特定することも可能です。 何も繋がない最小の状態から、一つずつ機器を足していき、起動しなくなったタイミングで接続した機器が「犯人」です。

手間のかかる作業ですが、修理に出すと「再現せず(異常なし)」で返ってくるようなケースは、輸送中の振動で接触不良が直ってしまっただけということも多いため、自宅でこれを試す価値は十分にあります。

電源ユニットのスイッチ動作確認と電力不足の見抜き方

電源ユニットには、背面に物理的な「「I/O」スイッチがついているものがほとんどです。 掃除の際などに手が当たって、いつの間にか「O(オフ)」になっているという笑えないミスは、ベテランでもやります。 また、古い電源ユニットや海外製の電源には、入力電圧を切り替える「115V/230V」の赤いスライドスイッチがついていることがあります。

これが間違った電圧側に設定されていると動作しません(日本国内では115V側である必要があります)。 さらに、最近パーツを増設した場合、電源容量不足(電力不足)で起動しないケースも考慮する必要があります。


電力不足や電源スイッチ周りの確認事項

  • 背面のメインスイッチ確認
    電源コードの差し込み口のすぐ近くにあるスイッチが「I(オン)」になっているか確認してください。
  • 電圧切り替えスイッチの確認
    もし赤いスライドスイッチがある場合、その数字が「115」になっているか確認してください。不用意に動かすと故障の原因になるので、触る必要がある場合のみ慎重に行ってください。
  • 最近の増設パーツとの兼ね合い
    もし最近、高性能なグラフィックボードなどを増設してから調子が悪いのであれば、電源ユニットのワット数が足りていない可能性があります。PC構成の合計消費電力が、電源ユニットの定格出力の8割を超えていると、起動時に大電流が流れた瞬間に落ちることがあります。
  • 経年劣化による出力低下
    電源ユニットは消耗品であり、長年使っていると出力できるワット数が下がってきます。新品の時は500W出せていても、5年使えば劣化して安定した電力が出せなくなり、結果として「電力不足」と同じ症状になります。

電源ユニットが原因かどうかを見極める一つの方法として、PCの電源コードをコンセントに挿し、電源ユニットのスイッチをONにした瞬間、マザーボード上のLEDが一瞬だけ光るか、あるいは電源ユニット内から「カチッ」というリレー音がするかを確認してください。

全く反応がない場合は、電源ユニットの入り口付近での断線やヒューズ切れの可能性が高く、この場合は電源ユニットの交換が必要です。 電源ユニットの交換自体は、ドライバー1本でできる作業ですので、PCを丸ごと買い換えるよりはずっと安上がり(数千円~1万円程度)に修理できます。

マザーボードのショート対策としてケース外で起動テスト

PCケースの中で何らかのショート(短絡)が起きているために、保護機能が働いて電源が入らないケースがあります。 例えば、マザーボードを固定するネジ(スペーサー)の位置が間違っていて基板の裏側に触れていたり、ケースとマザーボードの間にネジが落ちて挟まっていたりする場合です。

また、安価なPCケースの場合、歪みによって電源ボタンが押されっぱなしの状態になっていることもあります。 これを確認する究極の方法が、「ケース外組み出し(最小構成テスト)」です。


ケース外での起動テストの手順

  • マザーボードを取り出す
    PCケースからマザーボードを取り出します。全てのケーブルを外し、ネジを外して取り出します。
  • 絶縁体の上に置く
    取り出したマザーボードを、マザーボードが入っていた箱や、木製の机の上、あるいは絶縁マットの上に置きます。絶対に金属製のラックやカーペットの上(静電気の温床)には置かないでください。
  • 最小構成で接続する
    CPU、CPUクーラー、メモリ1枚、電源ユニットだけを接続します。ストレージやケースのファン、フロントパネルの配線は繋ぎません。
  • ドライバーで起動させる
    マザーボード上の電源スイッチピンをドライバーで短絡させて起動を試みます。

この状態で正常にファンが回り、BIOS画面が表示されるのであれば、原因は「PCケースとの接触不良(ショート)」や「ケースの電源ボタンの故障」にあったことが確定します。

この場合は、ケース内のスペーサー位置を確認し直したり、エアダスターでケース内の金属片を吹き飛ばしたりしてから慎重に組み直すことで解決します。 かなり大掛かりな作業になるため、これは他の全ての手段を試してもダメだった場合の「最後の砦」として考えてください。

CMOSクリア(BIOSリセット)で改善する起動トラブル

BIOS(UEFI)の設定データが何らかの原因で破損したり、矛盾した設定になったりして起動しなくなることがあります。 これを工場出荷時の状態に強制的に戻す作業を「CMOSクリア(シーモス・クリア)」と呼びます。

マザーボード上には、設定を保持するためのボタン電池(CR2032という規格が一般的)が取り付けられており、これを外すことで設定情報をリセットできます。 オーバークロック設定に失敗した場合や、ハードウェア構成を大幅に変更した後に起動しなくなった場合に特に有効です。


CMOSクリアの具体的な実行手順

  • 電源を完全に断つ
    PCの電源を切り、コンセントから電源コードを抜きます。さらに、電源ボタンを数回押して残留電気を抜いておきます。
  • ボタン電池を取り外す
    マザーボード上にある銀色の丸い電池(CR2032)を探し、細いマイナスドライバーなどで爪を押して取り外します。グラフィックボードの下に隠れている場合もあります。
  • 数分間放置する
    電池を外した状態で1分~5分程度放置します。これにより、メモリに保持されていた設定情報が消去されます。マザーボードによっては「CMOSクリア用ジャンパピン」をショートさせる方法もありますが、電池抜きが最も簡単で確実です。
  • 電池を戻して起動
    電池を元の向き(プラス面が上)に戻し、電源コードを繋いで起動します。起動に成功すると「CMOS Checksum Error」などのメッセージが出ますが、これは「設定がリセットされた」という報告なので成功の証です。F1キーやF2キーを押してBIOS画面に入り、時刻設定などを直して保存すれば完了です。

長く使っているPCの場合、そもそもこのボタン電池が電池切れを起こしている可能性もあります。 電池切れになると、PCの電源コードを抜くたびにBIOS設定が消えてしまい、起動時にエラーが出たり、電源が入らなくなったりします。 100円ショップやコンビニでも売っている一般的な電池ですので、PCを開けたついでに新品に交換してしまうのも良いメンテナンスになります。

グラフィックボードや増設パーツが原因の起動不能を見極める

グラフィックボード(ビデオカード)は、PCパーツの中でも消費電力が大きく、故障しやすい部品の一つです。 もしグラフィックボードが故障(ショートなど)していると、システム全体を巻き込んで電源が入らなくなることがあります。

また、キャプチャーボードやサウンドカードなどの拡張カードも同様に、故障してバス(回路)を不正に占有してしまうと、PCは起動シーケンスを進めることができなくなります。


拡張パーツの切り分け診断法

  • グラフィックボードを外す
    もしCPUに内蔵グラフィック機能がある場合(IntelのF無しモデル以外など)、グラフィックボードを物理的に取り外し、マザーボード側の映像出力端子にモニターを繋いで起動確認します。これで映れば、原因はグラフィックボードの故障です。
  • 補助電源の確認
    高性能なグラフィックボードの場合、6ピンや8ピンの補助電源ケーブルが必要です。これがしっかり刺さっているか、あるいは電源ユニットからの供給系統を変えてみて改善するか試します。
  • 他のPCIeカードを外す
    Wi-FiカードやUSB増設カードなど、後から付けたものを全て外します。スロットの接触不良の可能性もあるため、別のスロット(PCIe x16など)に挿し変えてみるのも有効です。
  • GPUの「重み」対策
    最近の巨大なグラフィックボードは、その重みでスロットごと歪んで接触不良を起こす「GPUサグ(垂れ下がり)」が発生します。PCを横倒しにした状態で起動してみて、もしそれで点くなら重力が原因です。割り箸や専用のサポートステイで支える必要があります。

グラフィックボードが原因で電源が入らない場合、ファンが一瞬だけ回って止まる、という挙動を繰り返すことがよくあります。 高価なパーツですので諦めきれない気持ちは分かりますが、外してPCが起動するなら、残念ながらそのカードは寿命か故障です。 メーカー保証期間内であれば修理に出し、そうでなければ買い替えを検討するタイミングと言えるでしょう。

参照元:NVIDIA サポート(ドライバー・製品サポート)

デスクトップPC 電源 入らないトラブルを防ぐ事前メンテナンス【まとめ】

ここまで、電源が入らないトラブルの原因特定と復旧方法について詳しく解説してきました。 多くのトラブルは、埃によるショートや熱暴走、ケーブルの接触不良といった、日頃のメンテナンスで防げるものです。 PCは「精密機械」であると同時に、部屋の空気を吸い込む「掃除機」のような側面も持っています。 定期的に内部を開けてエアダスターで埃を飛ばすだけでも、トラブルの発生率は劇的に下がります。

また、電源ユニットやHDDといった消耗部品には寿命があることを理解し、3年~5年を目処に重要なデータをバックアップしておくことや、予備のパーツを用意しておくことも大切です。 最後に、この記事の要点をまとめましたので、トラブル解決のチェックリストとしてご活用ください。 もしこれら全てを試しても改善しない場合は、マザーボードやCPUといった基幹パーツの深刻な故障の可能性が高いため、専門ショップへの診断依頼か、新しいPCへの買い替えを前向きに検討してください。

【まとめ】 電源が入らない時の最終チェックリストと予防策

  • まずは電源プラグ、タップのスイッチ、背面の主電源スイッチを確認する
    初歩的なミスを除外し、電気の入り口を確保します。
  • 全ての周辺機器(USB機器)を外して、PC本体のみで起動するか試す
    周辺機器の干渉やショートによる起動不良を除外します。
  • 電源コードを抜き、数分放置してから電源ボタンを数回空押しする
    内部コンデンサの残留電荷を放出し、帯電トラブルを解消します。
  • PCケースを開け、メモリやケーブル類の差し込みを強めに確認する
    振動などで起きる接触不良や酸化皮膜による絶縁を解消します。
  • マザーボード上のLED点灯やファンの挙動で、通電状況を確認する
    どこまで電気が来ているかを見極め、故障箇所を絞り込みます。
  • CMOS電池(ボタン電池)を一度取り外し、BIOS設定をリセットする
    BIOSのデータ破損や設定矛盾による論理障害を解消します。
  • グラフィックボードなどの増設パーツを取り外し、最小構成で起動テストを行う
    電力消費の大きいパーツや拡張カードの故障を特定します。
  • PC内部、特に電源ユニット吸気口やCPUファンの埃を徹底的に除去する
    埃によるショートや冷却不足による熱暴走を防ぎます。
  • 焦って電源ボタンを連打したり、通電中に内部を触ったりしない
    HDDの故障やショートによる二次被害(トドメを刺す行為)を防止します。
  • 日頃からデータのバックアップを取り、5年以上経過したPCは寿命を意識する
    突然の故障に備え、リスク管理と買い替えの準備を行います。

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